山口拳矢衝撃の単騎捲りで日本選手権競輪(ダービー)が終了した。
ついに我が競輪界のタイトルも110期以降に移り変ったのだ。
ここ数年、スピード競輪化が顕著に進んで上がりタイムも10秒台がバンバン出るようになってきたのも大きな要因だろう。
とくにここ数年の競輪界は勢力図がまったく変わらずグランプリメンバーもほとんど変わらないと言う状況だった。
ここに大きな風穴を開けたのが山口拳矢なのだが、筆者の嗅覚は今後まだまだ若手の台頭があると匂いまくっている。
今年初タイトルを獲得する選手は山口拳矢だけじゃない。
20代の若手と限定するとやはり眞杉匠、犬伏湧也、中野慎詞、太田海也、町田太我あたりか。
個々の力ならば、展開ハマればすぐにでもGI優勝出来る脚力はあると思う。
競輪には組み立てやラインの概念があるので〝巡り合わせ〟が非常に重要になってくるのだが中野、太田に関しては自転車競技に重きを置いている状況でGIレースすら欠場やむなしなのですぐにGI優勝出来るチャンスが少ない。
純粋にチャンスが少ないのだ。
巡り合わせが悪いと言える。
山口拳矢がそうだったようにGI決勝戦で〝単機で気楽に一発〟と言う構成は非常に稀なのだ。
眞杉だってラインが出来れば先行基本に組み立てる。
その時の番手が平原康多や坂井洋、吉田拓矢だった場合に差される可能性が高くなるし犬伏だってそうだ。
番手が松浦悠士、清水裕友だったら差されるだろう。
「じゃあ強い自力選手に差されないような脚力を身につければ良いじゃないか」
と言うのは綺麗事だ。
実際には難しい。
最近は、
眞杉や犬伏が今すぐGI優勝に近いのは単騎戦なのでは?とすら思うこともある。
時代は移り変っていくのだ。
〝単騎で一撃〟を決めた山口拳矢が現代競輪の本質を体現したのではないか?
競輪は強いだけでは勝てない。
運や巡り合わせ、
ようするに『持ってる』人間が勝つのだ。
梅雨入り前の暑い夜
筆者の頭も現代競輪にアップデートしなければいけないと感じた。