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編集部コラム KEIRIN ON MY MIND
特集 2025.06.25

編集部コラム KEIRIN ON MY MIND

昼は富山、夜は四日市でGⅢ開催。9車立てはそそるな。6日制のGⅠ資金確保のためにやらないつもりだったけど…。競輪の誘惑に弱いのは自分でも呆れるほど。2時半には競輪場到着。6時間滞在の予定。まあゆっくりいこうや。

もちろん場内のラーメン店へ。昼休みで暖簾を降ろした店内にはOL3人組が座ってた。タナカくんが講師みたいに立っていて、教室みたいな感じで、楽しそうに話してる。今日の競輪ライフは静かにスタートしたかったんだけど…。顔を出して、手を挙げようとしたら、すかさずタナカくんが声をかけてきた。

「これから競輪のクイズやりますから」

いやもおうもなく、俺も店主のマサさんも強制的に参加させられた。
タナカくんがMCになって、みんなが参加できる、選手数に関する問題でいくとか。

さっそく第1問。

「競輪選手は男女合わせて2400人より多いでしょうか?」

日本競輪養成所の始まり、日本サイクリストセンターができた1950年には男子が約5600人、女子が約600人いて、20年くらい前は男子だけで3800人。10年前には2400人を切ったけど、昨年はまた2400人を超えている。
最盛期に63場あった競輪場は現在43場。総開催日数が減少したのだから、当然、選手数も減った。ネット投票で売上が上がり、モーニング、昼開催、ナイター、ミッドナイトといろいろな形態で競輪をやり始めた今、選手数は変化するのだろうか。

「それではガールズ選手は240人いるでしょうか?」

ガールズケイリンが復活して13年経つし、競輪創成期の男女比の人数構成からいっても250人はいるでしょ。
ブーッ、答えは約220人。最初の102期は16人で、一番少ない106期は6人。124期の22人が最高で、その後、今年5月にデビューした128期生まで、1期に大体20人前後がデビューしている。「そんなに少ないんだ。500人はいると思っていた」とOL3人組。1年でそんな少ししか選手になれないとはこっちも意外だった。

「一番、競輪選手が多い都道府県はどこ?これは資料がある1月1月現在でいきます」

OL3人組が東京、大阪と言う脇で、ここでうんちくを披露。まず競輪は東日本が盛んだからね。人口からいけば首都圏なんだけど、日本競輪選手養成所があるのは静岡。そのせいだと思うけど、確か20年前は静岡がダントツで240人を超えていた。続く神奈川、福岡、群馬より50人近く多かったくらい。だから静岡なんだよと答えると、すかさずタナカくんがブー。

正解は福岡の131人。129人の神奈川、121人の埼玉がこれに続く。静岡は113人で4番目なんだ。

「はい、それでは逆の問題いきます。競輪選手がいない県は鳥取と島根ですが、一番少ないのはどこ?」

これは知ってる、山形。

「ピンポン。では何人でしょうか?」

確か3人だったな。赤塚悠人、高橋幸司、猪野泰介と名前まで披露したのに、

「ブッブー。高橋幸司は今年の3月に沖縄へ移籍したから、2人になりました」

引っかけやがったな。

競輪は車券が当たってなんぼなんだ。そうだ、そうだと女性陣も加勢してくれる。

今日は四日市GⅢの決勝で狙っている選手がいるんだった。その前に富山GⅢの決勝をまず買わなくちゃ。彼女たちは推しの嵯峨昇喜郎が先頭の北日本勢から車券を買うみたい。制するようにこれは村田祐樹と嵯峨の先行争いになって、谷和也のひとまくりだよと。⑨②から①③⑤⑧あたりかなと解説。ふーんと言いながらも、佐藤一伸と飯野祐太の⑤=③を2車単で買っていた彼女たちはレース後に歓喜の声を上げる。飯野が勝って、佐藤が2着の③⑤で980円ついたもんな。

飲みにいこうと盛り上がりながら彼女たちが去り、残されたのはマサさんと俺だけ。タナカくんまで骨抜きにされて一緒に行っちまった。

さっき四日市で狙いたいと言いかけたのは渡部哲男だ。愛媛が誇る45歳の追い込み選手。昨年の5月から10月くらいまでよくない時期があったが、その後は目標の動きに成績が左右される追い込み型なのに実に安定している。先月はFⅠで2回優勝したし、今回もしぶとく3着、3着、3着で決勝進出。けっして展開がいいわけではないのに、うまく流れに乗るのは見事だ。この決勝は見たことない単騎戦で苦しいんだけど、またしても3着でどうだ。

レースは野口裕史が逃げて、絶好の簗田一輝が優勝。渡部は中井俊亮に飛ばされて、あえなく9着。大ベテランの単騎戦はやはり厳しかった。

午後9時前に街へ放り出された俺。汚名返上すらさせてもらえなかった。汚名は返上、名誉は挽回といううんちくすら言わせてもらえなかった。大阪のGⅠは笑えるだろうか。

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