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お見送り芸人しんいち
特集 2024.07.17

お見送り芸人しんいち

 

むずかしい競輪を、もっとわかりやすく伝えたい!

R-1グランプリで優勝してから、おかげさまで色々な番組に出させていただく機会が増え、そのなかにABEMAの「ミッドナイト競輪」がありました。元々、ギャンブル好きですけど、これまで競輪はまったくで。最初は右も左もわからなかったけど、競走得点順だったり、他の出演者に習っていくうちに、ちょっとずつ当たるようになりました。競輪歴で言うとまだ2年目ぐらい。でも当たるともっと興味深くなって、今度は上位のレースがおもしろくなってくるんです。ただ、グレードレースともなると9車立てでしょ、これがまた当たらない(苦笑)。それでも、ラインや戦術など7車のミッドナイトよりももっと奥深さを感じるようになり、そのうちにデカいレースでも番組に呼んでもらえるようになって、さらにのめり込んでいきました。

ボクの場合、身近にU字工事のお二人がいたのが大きくて、競輪の話を聞ける人が近くにいるありがたみを感じました。今ではスマホで朝から晩まで、7車だろうが9車だろうが関係なく買っていて、ザ・マミィの酒井(貴士)と一緒になるといつも競輪談義です。ロケバスの一番後ろに、よく修学旅行とかで不良が座る席があるじゃないですか。あそこを陣取って「前走の〇〇は、自分でまくっていたから狙える」とか「これ2段駆けじゃね?」とか盛り上がっています。当たれば「ヨッシャー!!!」ってなるけど、バスの中は寝ている先輩もいるし、小声でハイタッチですよ。自分で調べて色んな情報を得て、レースの展開がズバリと当たったときの快感は格別です。

競輪って他の競技と違い、ぜんぶ自分の体ひとつでやっているのがすごい。メンテナンスも含めて。そんな人間と人間のぶつかり合いにとても惹かれるし何よりもカッコいいと思います。それに40代、50代のオジさんが20代の若手に勝つ、って構図もなかなかない。あとは師弟制度があるのも芸人の世界に通じるものがあるし、人情味を感じます。

もっと、もっと詳しくなりたいけど、ミッドナイト競輪から入ってハマった人たちも同じ思いでしょう。ボクもボクなりに色々と研究しているけど、やっぱり芸人ですし、スタンスとしては競輪をわからない人に広める役割でありたい。わからない人が少しでも興味を持ってくれるための入口になれればと思っていて、中継では予想だけではなく趣味や好きな食べ物とか選手のパーソナルな話題をひもといたり、お笑いの世界になぞらえて話をしています。

例えば、ボクは単騎の選手から買うのが好きなんですけど、単騎=ピン芸人と見立てたり。コント師や漫才師は型があるから基本的にぶっ飛んだことはしないけど、ピン芸人って何をするかわからないけど突如、爆発するときがあるんです。ハリウッドザコシショウさんを見るとわかるでしょ(笑)。常に玉砕覚悟なんです。これを単騎の選手に置き換えてみる。こういう発想から、興味を持ってくれる人がいたらうれしいじゃないですか。競輪って面白いし、もっと新規ファンに入ってきてほしいけど、いかんせん難しい。ボクもまだわからないことが多いけど、こういうアプローチで盛り上げるのなら自分だってできるし、少しずつ覚えられる。

あと、ボクはガールズケイリン推しなのですが、彼女たちをもっと取り上げたいと思っていて。プロフェッショナルとしてレースに向き合う姿が何よりもカッコいいんですよ。それでいてSNSとかでは素顔を出してネイルとか趣味の話や車の紹介とかしていたりと、そのギャップもいい。ボクは去年、テレビ朝日の「ロンドンハーツ」で久米詩さんを推してきたんですけど、ガールズケイリンにこんな子がいるのかって競輪を知らない人が目を向けてくれればいいなっていう思いがあったんです。

だけどガールズケイリンってラインが無いし、推理がとても難しい。そんなときは名前や雰囲気で買うのもアリだと思います。例えば小中学校のときの好きな子の名前で買ったりとか(笑)。男子って初恋の話やあの子に夢中になったとか覚えているもので、苗字にその子の名前が入っていたら買うのも全然ありだと思います。女性ファンも気になった選手がいればどんどん推していけばいいし、もちろん名前で買うのもアリでしょう。

競輪はこれまではオジさんたちに多く支持されてきたけど、最近は若い層も入ってきたし、これからの競輪はオジさんだけのものじゃない!って感じがしますね。もっと、もっと競輪が世に広まるよう、ボクも色んなところでアピールしていきます。

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