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編集部コラム KEIRIN ON MY MIND
特集 2024.07.17

編集部コラム KEIRIN ON MY MIND

真夏日が続いていたけど、雨で少し和らいだ。そういえば梅雨はまだ明けてなかったんだな。松戸でサマーナイトフェスティバルが始まったし、場外で車券でも買おうと競輪場へ。ガールズは強い選手と隣りの車番の選手を買うことにした。1Rが坂口楓華と小林莉子、2Rは児玉碧衣と鈴木美教、3Rは見かな(ちなみに二つとも外れたけど)。車券を買ってから、ラーメン屋に顔を出す。あれっ、車券仲間で唯一の若手、タナカ君が店のテーブルを拭いている。

「どうしたの」。

「マサさんの膝に水がたまって痛そうにしているもんだから」。

臨時の手伝いか。そういえばマサさん、去年からそんなこと言ってたな。病院にまだ行ってないのかな。

厨房から出てきたマサさん、いつもと同じようだけど、右足の歩行が少しだけおかしい。聞けば、時々少し痛む程度だけど、階段はきついらしい。競輪選手として脚を使って、その後はラーメン作りの立ち仕事。脚を酷使しているもの。当たり前だけど、もっと早く診てもらえばいいのに…。命に別条がないケガや病気だと、切羽詰まらないと医者に行かない人間ている。左足の疲労骨折をほっておいた人間をよく知ってるけど…、誰のことだか。

アラフィフとアラシックスの会話が、そこから骨折の話になりかけたところで、タナカ君が口を挟んできた。

「楠本政明がやっと力を発揮し始めましたよ」。

なにを突然と思ったけど、タナカ君は話を続けた。

「楠本は昨年、デビュー2戦目の松戸新人戦で落車して、大腿骨骨頭を骨折していたんですよ」

それでこの選手の話か、納得。

楠本は福岡の123期生で自力選手。陸上競技の三段跳びで日本選手権8位の実績を持つアスリートだ。

骨折から復帰したのは昨年10月。その後は苦しい戦いが続いて、今年4月に2場所続けて準決に進み、やっといい感じになったところでまた落車。ところが欠場明けの6月四日市で初めて決勝に乗った。予選は4着、決勝は5着だったが、準決は同期で77点持っている児玉虎之介の先行を4番手からひとまくりしている。

続く今月の弥彦ではなんと3連勝で初優勝を決めてしまった。決勝はミッドナイトで一番点数が下の7番車。125期の小堀敢太の先行を4番手からまくっての圧勝だった。準決も本命サイドをまくりで沈めたように、豪快なまくりが得意パターンみたいだな。

次は7月18日からの高松で走る予定。まくりになりそうなメンバーなら面白いな。サマーナイトフェスは少し自重して車券を買おうか。             

まずはガールズの分を取り戻そうと、後半戦の検討を始めたところで、

「じゃあ、僕はこれで。今日は飲み会あるんで」

とタナカ君が帰ってしまった。

それなら今日は車券の合間に、アラフィフとアラシックスでしみじみと健康について語り合おうか。

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