第1回女子オールスター競輪が、宇都宮競輪場においてナイターレースで開催される。昨年の女子オールスター競輪は男子のオールスター競輪と同時開催だったが、本年度からは昨年終了したガールズケイリンフェスティバルと統合。男子のオールスター競輪から独立した大会となり、格付けもGⅠとなってファン投票で選ばれた42名の選手たちが出場する。開催日程は昨年と同様に3日制だが、勝ち上がり方式はポイント制ではなく、初日に予選、2日目に準決勝、最終日に決勝戦が行われる。なおファン投票で上位7名となった選手は初日の優秀競走であるガールズドリームレースに出場し、失格しないかぎり7名全員が準決勝に進出できる。また、アンダーカードとして通常のあっせんによるガールズケイリンが2グループと、新人男子と新人女子による競輪ルーキーシリーズプラス2025が同時開催され、最終日には計5個の決勝戦が実施される。
児玉碧衣 福岡 108期
ファン投票で9年連続1位と、絶大な人気を誇っているのが児玉碧衣だ。児玉は昨年後半から不振に陥り、自転車に対するモチベーションが上がらないなどと苦しい胸の内を吐露していた時期もあった。それにもかかわらずファン投票の投票数は昨年より千票以上増えての堂々第1位で、多くのファンが児玉の復活を待ち望んでいるのがよくわかる。6月のパールカップではまさかの予選敗退だったが、捲りに頼りすぎての展開負けだったことは本人も自覚しており、今回は先行押し切りも視野に入れた積極的な仕掛けで復活を目指してくる。
太田りゆ 埼玉 112期
太田りゆは昨年のパリ五輪後に自転車競技から引退し、現在はガールズケイリンに専念。昨年11月の競輪祭女子王座戦では準優勝と健闘している。そのおかげもあってか、ファン投票では昨年の第5位から今年は第2位へと大きくアップしており、ファンの期待も大きい。ただ、今年は4月のオールガールズクラシックでは準決敗退、6月のパールカップも準決敗退に終わっているのが残念だ。それでも7月までの優勝が8回で獲得賞金ランキングも7位につけており、ガールズグランプリ初出場を目指して力走してくれるだろう。
佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜は昨年と同様にファン投票第3位だが、もちろん優勝候補の筆頭だ。4月のオールガールズクラシックでは準決で児玉碧衣との捲り合戦に敗れて2着だったが、それならばと、決勝は逃げ切って優勝している。6月のパールカップも捲り3連発の完全優勝だった。ただ、そんな佐藤にも不安材料がないわけではない。2022年3月の宇都宮でのガールズケイリンコレクションでは捲り届かずの2着、直線の長い静岡での昨年のガールズグランプリも捲り届かずの2着に終わっっており、今回も500バンクの宇都宮で油断はできない。
久米詩 静岡 116期
久米詩は2023年7月のガールズケイリンフェスティバル以降はビッグレースでの優勝がなく、近況はやや壁にぶち当たっている印象だが、ファン投票は昨年と同様に第4位でファンからの支持は厚い。4月のオールガールズクラシックでは予選を2着で突破したが準決は4着敗退、6月のパールカップでは予選で失格とファンの期待に応えられなかっただけに、今回は必ずや巻き返しの走りを見せてくれるだろう。7月までの優勝回数は11回と昨年の年間優勝回数にすでに並んでおり、調子はまちがなく上向きで今回こそはの活躍に期待したい。
梅川風子 東京 112期
梅川風子は昨年のパリ五輪出場は叶わず、10月の世界選手権を最後に、自転車競技を引退して現在はガールズケイリンに専念しているが、世界の舞台で鍛え上げたスピードを武器に期待どおりの活躍を続けている。4月のオールガールズクラシックでは予選と準決を捲りの2連勝で突破して決勝3着、6月のパールカップも予選が1着、準決が3着で優出している。7月の松阪までの優勝が11回で、獲得賞金ランキングも5位につけており、2年ぶりのガールズグランプリ出場を目指して今回もワールドクラスのスピードを披露してくれるだろう。
尾崎睦 神奈川 108期
今年のガールズグランプリは平塚で開催されるが、ホームバンクでの出場を目標に奮闘しているのが尾崎睦だ。4月のオールガールズクラシックは準決で3着と敗れたが、6月のパールカップの予選は佐藤水菜と9車身差ながらも懸命に捲り追い込んで2着、準決も佐藤と6車身差ながら追い込んで2着、決勝は初手から佐藤をマークし、佐藤の捲りに離れることなく1車身差で2着だ。昨年は獲得賞金ランキング2位でガールズグランプリに出場しているが、今年も7月29日現在で3位につけており、いっそうの頑張りが期待できるだろう。
仲澤春香 福井 126期
126期の新鋭・仲澤春香は3月のスター選手の登竜門であるガールズフレッシュクイーンでは2着に終わり、昨年9月の平塚の決勝から続いていた連勝は23で止まったが、GⅠ初出場となった6月のパールカップでは予選は捲りの2着、準決は堂々の逃げ切りで初優出を決めた。しかし、決勝は初めての大舞台で大ベテランの奥井迪に先手を取られ、車群に飲み込まれて力を出し切れずに5着に終わったのは残念だった。もちろん今回もナショナルチームで鍛えたスピードで勝ち上がりが期待できるし、パールカップでの失敗を糧に好走してくれるだろう。