ガールズケイリンのGⅠ・第3回パールカップが岸和田競輪場において、男子の高松宮記念杯競輪と同時開催される。パールカップは3日制だが、6日制の高松宮記念杯と同様に勝ち上がり戦は東西対抗形式となり、東日本地区と西日本地区から選抜された選手たちが予選と準決までは東西に分かれて戦い、両地区から勝ち上がってきた7名が決勝戦で激突する。優勝候補の筆頭は4月のオールガールズクラシックを制した佐藤水菜だが、ようやく復調してきた児玉碧衣の逆転も十分で、GⅠ初出場となる126期の新鋭・仲澤春香の走りにも注目したい。
佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜は4月のオールガールズクラシックの初日ティアラカップは最終ホーム5番手から一気に仕掛けて押し切りと完勝したが、準決では勝負どころで最後方と後手を踏んでしまい、バック手前から捲っていくが、合わせて3番手から捲った児玉碧衣に先着されてしまった。しかし、決勝では打鐘から誰よりも積極的に動いて先頭に立ち、後ろのもつれを確認しながらペースで駆けて逃げ切っている。前日の失敗を繰り返すことなく、しっかり立て直して優勝をさらっていくところはさすがとしか言いようがなく、もちろん今回も優勝候補の筆頭だ。
児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣は昨年後半から急激に落ち込んでしまい、11月の競輪祭女子王座戦ではまさかの予選敗退となった。12月のガールズグランプリもバック5番手から捲りにいくも3番手から仕掛けた佐藤水菜に合わされて5着に終わっている。しかし、今年4月のオールガールズクラシックでは予選は2着に9車身の大差をつける捲りで圧勝、準決は6番手から捲った佐藤水菜に合わせて3番手から捲って宿敵を下すことに成功した。決勝では佐藤にペース逃げを許して2着だったが、復調した児玉が今度こその優勝を狙ってくるだろう。
梅川風子 東京 112期
梅川風子は昨年12月の京王閣で落車してその後は2場所欠場したが、1月の熊本から復帰すると連勝モードに入り、4月のオールガールズクラシックの準決までに23連勝をマークしていた。しかし、決勝では佐藤水菜が先行態勢に入ると番手に追い上げて児玉碧衣と並走になり、バックから強引に仕掛けていくが捲り切れずに3着に終わった。レース後のインタビューではGⅠ決勝で逃げた佐藤の勇気に完全に脱帽という印象だっただけに、今回までにしっかり練習を積み重ね、より積極的な走りで打倒佐藤を目指してくるだろう。
小林莉子 東京 102期
小林莉子は3月の名古屋で完全優勝して通算500勝を達成、2012年にガールズケイリン1期生としてデビューしてから現在に至るまで常にトップクラスで活躍し続ける息の長い選手となった。4月のオールガールズクラシックでも予選は小林優香の捲りに乗り、ゴール前では鈴木奈央に外から交わされるも2着、準決は日野未来の逃げに乗り、番手から抜け出しての1着で決勝進出を果たしている。決勝は前受けするも佐藤水菜の仕掛けに飛びつけず4着に終わったが、今回もベテランらしい巧みな位置取りと鋭い差し脚で勝ち上がりを目指す。
柳原真緒 福井 114期
柳原真緒は昨年8月の女子オールスター競輪以降はビッグレースから遠ざかっていたが、およそ8か月ぶりの参戦となった今年4月のオールガールズクラシックで決勝進出を果たして存在感を示した。決勝は勝負どころで最後方と後手を踏んでしまい6着に終わったが、予選は太田りゆの捲りに大差をつけられながらも懸命に追いかけて2着、準決も梅川風子の捲りに必死に食らいついての2着だった。パールカップは過去2回大会とも決勝進出を果たしており、地元地区でのGⅠだけに最低でも決勝進出を目指して臨んでくる。
坂口楓華 愛知 112期
坂口楓華は4月のオールガールズクラシックの準決では逃げた熊谷芽緯の番手で山原さくらの捲りは止めたが、続いて襲ってきた梅川風子の捲りには対処できず4着に終わった。それでも初日ティアラカップでは佐藤水菜の捲りにしっかり反応できて、交わすまでには至らなかったが2着に入っている。3日目特選では準決敗退の鬱憤を晴らすかのように積極的に仕掛け、山原さくらとのもがき合いを制して主導権を取り切っての2着と引き続き好調を維持しており、今回も決して後手を踏まない積極的な走りで勝ち上がりを狙ってくる。
仲澤春香 福井 126期
仲澤春香はナショナルチームにも所属している126期の期待の新鋭だが、3月のガールズフレッシュクイーンでは海外遠征帰りで久しぶりのガールズ出走だったせいか、5番手から仕掛けるも車の伸びがいまいちで捲り届かずの2着に終わり、昨年9月の平塚決勝から続いていた連勝記録も23でストップした。それでも4月のオールガールズクラシックのアンダーカードであるFⅡ戦で3連勝、5月の地元戦の福井決勝ではガールズフレッシュクイーンで逃げ切られた熊谷芽緯の逃げを今度は捲り切って3連勝と期待どおりの強さを発揮している。