第3回オールガールズクラッシックが岐阜競輪場で開催される。1日12レースがすべてガールズによる3日制のナイター開催だが、前半6レースは通常の斡旋による3グループのガールズケイリンで、後半6レースが4大会のGIの中で最も格式高い大会と位置づけられているオールガールズクラッシックとなる。優勝候補の筆頭はやはりスピード一番の佐藤水菜だが、昨年のガールズグランプリで佐藤を下してチャンピオンとなった石井寛子や獲得賞金ランキングでトップを独走している久米詩の逆転も十分で、昨年の大会の覇者で復活にかける児玉碧衣の走りにも注目したい。
佐藤水菜 神奈川 114期
佐藤水菜は今年も自転車競技とガールズケイリンの二足のわらじで多忙な日々を送っているが、今年は4大会のGIすべてに出場予定で、すべての大会で優勝を狙っていくと公言しておりファンの期待は高まるばかりだ。3月にトルコで開催されたネーションズカップでは女子ケイリンで銅メダルを獲得、女子スプリントは5位に終わったが、予選ではハロン10秒170を叩き出して自身の持つ日本記録を更新している。1月の立川では今年初めてガールズケイリンに出走して3日間逃げ切りで完全優勝しており、今回も桁違いのスピードを見せつける。
久米 詩 静岡 116期
久米詩は2023年にコレクション平塚ステージとガールズケイリンフェステイバルを優勝しガールズグランプリ初出場も果たしたが、昨年は低調でガールズグランプリにも出場できなかった。しかし、今年は正月開催の伊東温泉で完全優勝と好スタートを切ると、3月の別府までに6回優勝しており、獲得賞金ランキングでもトップを独走中だ。1月の京王閣では石井寛子、3月のいわき平では尾崎睦、次場所の別府では児玉碧衣とグランプリレーサーたちを下して優勝しており、今回も優勝しガールズグランプリ復帰を目指す。
坂口楓華 愛知 112期
坂口楓華は3度目の出場となった12月のガールズグランプリでは4着だったが、前受けの佐藤水菜を叩いて果敢に主導権を取り切る素晴らしい走りを見せた。今年も1月のホームバンクの豊橋で完全優勝と好スタートを切り、次場所の岸和田は決勝3着に終わったが、次々場所の久留米から連勝街道に入り、4月の伊東温泉までで20連勝で優勝が6回と引き続き好調だ。今回は地元地区でのGIなので必勝を期して臨んでくるし、昨年11月の岐阜では捲りの3連発で完全優勝しており、今回も地元ファンの期待に応える走りを見せてくれるだろう。
太田りゆ 埼玉 112期
太田りゆはパリ五輪を最後に自転車競技を引退。それ以降はガールズケイリンに専念している。昨年11月の競輪祭女子王座戦では決勝2着と善戦した。今年も正月開催の取手で完全優勝と好スタートを切り、3月の四日市までで4回優勝しており、2月の京王閣では石井貴子、3月の平塚では尾崎睦、次場所の四日市では尾方真生のグランプリレーサーを下して優勝とさすがのスピードを見せつけている。昨年12月の岐阜では予選1と2で11秒9の上がりタイムをマークして完全優勝しており、今回の舞台となるバンクとの相性もいい。
梅川風子 東京 112期
梅川風子は10月にデンマークで開催された世界選手権自転車競技大会への出場を最後に自転車競技から引退してガールズケイリンに専念している。昨年11月の立川で完全優勝、次場所の競輪祭女子王座戦で優出、12月の京王閣の予2で落車し2場所欠場したが、欠場明けの今年1月の熊本から怒涛の快進撃がスタートし、3月の西武園までで6場所連続の完全優勝を達成している。西武園では捲りの3連発で予選1が11秒8、予選2と決勝が11秒9の上がりタイムをマークとさすがのスピードを見せつけており、もちろん今回も優勝候補の一角だ。
児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣は昨年ホームバンクの久留米で開催された第2回大会で完全優勝を飾っているが、後半戦に入ってから急激に調子を落としてしまい、年末のガールズグランプリも5番手からの捲り不発で5着に終わった。それでも今年は2月の松阪から3月の平塚まで4場所連続で完全優勝と復調気配であることはまちがない。状態的には問題なさそうだが、走りにどこか迷いがあり強気に攻めていけない印象で完全復活にはもう少し時間がかかりそうだが、昨年覇者の名に恥じない女王の走りを期待したい。
石井寛子 東京 104期
石井寛子は言わずと知れた昨年のガールズグランプリの覇者だ。昨年は年間の優勝回数が18回と相変わらず安定した成績を残していたが、ビッグレースでは8月の女子オールスター競輪での優出以外は目立った活躍がなく年齢的にもそろそろ限界なのかとファンを心配させていたが、黎明期からガールズケイリンを支えてきた石井を勝負の女神は見捨てることなく、ガールズグランプリでは佐藤水菜の猛追を振り切って2度目の優勝を飾っている。今年も4月の豊橋までの優勝が2回と絶好調とは言えないが、今回も決して侮れない存在となるだろう。