第2回競輪祭女子王座戦が男子の競輪祭と同時開催で小倉競輪場で開催される。ガールズ28名による3日制のナイターレースで中心となるのはやはり最速の女王・佐藤水菜だが、年末のガールズグランプリの出場権がかかっているだけに自転車競技を卒業してガールズケイリンに専念している太田りゆや昨年覇者の梅川風子も逆転一発を狙ってくる。近況は壁にぶち当たっている印象のある児玉碧衣の復活の走りにも期待したい。
佐藤水菜はパリ五輪では上位進出はならなかったが、10月の世界選手権では女子ケイリンで金メダルを獲得、日本女子の短距離種目での初の快挙を成し遂げており、そのスピードはやはり桁外れだ。昨年の競輪祭女子王座戦では準優勝だったが、2日目準決では6番手から大外のイエローライン上を豪快に捲って上がりタイムは11秒8と大会の一番時計をマークしている。一昨年のガールズグランプリトライアルの決勝では上がり11秒7の追い込みで優勝してガールズグランプリの出場権を獲得しており、今年も相性抜群のバンクで優勝を狙う。
児玉碧衣は4月のオールガールズクラシックを完全優勝してガールズグランプリの出場権を獲得しているが、8月の女子オールスター競輪の決勝では佐藤水菜と太田りゆに上位を独占され、ナショナルチームの2人に対して完全に白旗を上げる弱気なコメントを残している。8月の佐世保、9月の熊本と函館で3場所連続優勝しているが、10月の別府は腰痛で欠場、その後は黄檗山での5泊6日の特別指導訓練を経て豊橋に出場するも決勝は4着に敗れており、今回こそは地元九州のファンのためにも児玉らしい強い走りを見せてほしい。
梅川風子はパリ五輪ではリザーブ選手となり本大会への出場は叶わなかったが、ナショナルチームで鍛え抜いてきた脚力はガールズケイリンではやはり格上だ。2018年にはガールズグランプリトライアルで優勝してデビュー2年目でガールズクランプリに初出場、2019年にもトライアルで優勝して2年連続のガールズクランプリ出場を果たし、2020年も獲得賞金ランキング上位でガールズクランプリに出場している。そして昨年の第1回競輪祭女子王座戦では佐藤水菜の捲りを差して優勝しており、今年も好相性の小倉バンクで連覇を狙う。
坂口楓華は3月のコレクション取手ステージで3番手からの追い込みでビッグレース初優勝を飾っている。その後もビッグレースでの優勝はないものの順調に勝ち星を積み重ね、10月の4日制の別府では3連勝で勝ち上がり、決勝は3着で賞金を上積みし、獲得賞金ランキングで3位から1位へと躍り出た。これで3度目のガールズグランプリ出場がかなり濃厚となってきたが、昨年の競輪祭女子王座戦では決勝4着ながら勝ち上がりは1着、2着と健闘しており、今年こそはGIを取ってのガールズグランプリ出場を目指す。
太田りゆはパリ五輪に出場し女子ケイリンで準決勝に進出して9位となっている。しかし、自転車競技はパリ五輪を区切りとして卒業し現在はガールズケイリンに専念、9月の川崎、10月の宇都宮と函館で3場所連続の完全優勝を達成している。昨年の競輪祭女子王座戦では決勝は6着だったが、予選では捲りで11秒9の上がりタイムをマーク、一昨年のガールズグランプリトライアルでも2連勝で決勝進出と高速バンクの小倉とはもちろん相性がいい。8月の女子オールスターでは準優勝と健闘しており、今度こそはのGI初優勝を狙ってくる。
小林優香や児玉碧衣と同門の尾方真生はデビュー当時からその非凡な脚力が注目されており、デビュー2年目の2021年にはガールズグランプリ初出場を果たしている。その後も2022年、2023年と連続出場してトップクラスの仲間入りを果たしているが、ビッグレースとなると積極性の欠けたレースが続き優勝には手が届かなかった。しかし、今年7月のガールズケイリンフェステイバル決勝では小林優香や児玉碧衣らを相手に逃げ切ってビッグレース初優勝を飾っており、今回も大きく成長した尾方真生が積極的な仕掛けで勝ち上がっていくだろう。
尾崎睦はビッグレースの優勝はまだないが、デビュー3年目の2017年にガールズグランプリに初出場、翌年も獲得賞金ランキング上位で出場してトップクラスの仲間入りを果たしている。そして今年は4月のオールガールズクラシックで決勝3着、6月のパールカップでも決勝3着と大活躍、10月までの優勝回数が14回で獲得賞金ランキングは2位と6年ぶりのガールズグランプリ出場が射程圏内だ。昨年の競輪祭女子王座戦では決勝は5着だったが、準決は捲りの2着(個人上がりタイムは11秒8)で突破しており、今年も活躍が期待できる。