月刊競輪WEB

検索
女子オールスター競輪展望
レース展望 2024.07.31

女子オールスター競輪展望

#グレードレース展望

 女子オールスター競輪が男子のオールスター競輪と同時開催で平塚競輪場にて開催される。昨年まではファン投票の得点上位者14名による単発レース「ガールズケイリンコレクション」2個レースが実施されていたが、今年はファン投票の上位14名による3日制のシリーズレースとなる。勝ち上がりはポイント制で予選を2走してのポイント上位者7名が決勝戦で対決するが、ファン投票の得票数上位7名は初日予選で「ガールズドリームレース」に出走しポイントが優遇される。見どころはやはりパリ五輪に出場した佐藤水菜と太田りゆの走りで、児玉碧衣や久米詩らがオリンピアンの2人に対してどんな対抗策を打ち出してくるかに注目したい。

児玉碧衣 福岡 108期

 児玉碧衣はファン投票で8年連続1位に輝いたが、7月のガールズケイリンフェスティバルでは3日間勝ち星なしに終わり、決勝も5着と大敗している。準決で逃げるも中野咲に差されて2着だったのが響いていたようで、決勝も中野が後ろにいたので脚を温存しようとして積極的に仕掛けられなかったのが敗因で体調面や脚力は問題ないと見ていい。昨年8月のガールズドリームレースでは佐藤水菜や太田りゆらを相手に逃げ切っており、ナショナルチームのメンバーに対して並々ならぬ闘志を燃やす児玉が今回も積極的に仕掛けてくるだろう。

 

日野未来 奈良 114期

 日野未来はグラビアアイドル出身ということもあり実力よりも人気が先行していた印象があったが、近況はビッグレースでも好走を披露しており、ようやく人気に実力が追いついてきた。昨年は人気投票で9位に選ばれアルミテス賞レースに出場して5着に終わっているが、今年の人気投票では児玉碧衣に次ぐ堂々の2位で初日予選のドリームレースに出走する。5月の四日市では逃げ、捲り、差しで完全優勝を達成、6月のパールカップでは準決で敗れているが3日目選抜で勝ち星を挙げており、今回も決して侮れない1車となるだろう。

佐藤水菜 神奈川 114期

 ファン投票3位は国内外のレースで数々の輝かしい実績を挙げ念願のパリ五輪代表に選ばれた佐藤水菜だ。今年も2月の2024UCIトラックネーションズカップ第1戦において女子スプリントで銀メダル、女子ケイリンで金メダルを獲得しておりパリ五輪でのメダル獲得が期待されている。パリ五輪のトラック競技の日程は8月6日から11日までで女子オールスター競輪は13日に開幕するが、昨年3月には海外遠征から帰国後の中1日の強行軍でコレクション別府ステージを優勝しており、今回も世界レベルのスピードを存分に見せつけてくれるだろう。

久米詩 静岡 116期

 久米詩は昨年5月のガールズケイリンコレクション平塚ステージと7月のガールズケイリンフェスティバルを優勝しているが、近況は元気がない。連覇がかかっていたフェスティバルでも予選1は7番手と後手を踏まされて4着、予選2は内に詰まっての3着で優出を逃している。体調面にやや不安があるのか、そのぶん上手く立ち回ろうとして逆に墓穴を掘っている印象だ。それでも3日目選抜は突っ張り先行で2着と意地を見せており、今回もオリンピアンの2人を相手に小手先の走りは通用しないのは重々承知のはずで、久米らしい果敢な走りを期待したい。

太田りゆ 埼玉 112期 

太田りゆは2020年の東京五輪では出場枠が1しかなかったためにリザーブ登録となり、コロナ禍で延期された2021年の本大会には出場できなかった。それでも、その後も五輪出場を目指して鍛錬を積み重ね、悲願のパリ五輪の正式代表選手に選ばれている。競技に重点を置いているためガールズケイリンの出走は少ないが、昨年8月のガールズドリームレースでは逃げた児玉碧衣に捲りで迫って2着と健闘、10月のオールガールズクラシックと11月の競輪祭女子王座戦で優出しており、今回も世界の舞台で鍛えた自慢のスピードを披露してくれるだろう。

石井寛子 東京 104期

 石井寛子は昨年のファン投票は8位でアルテミス賞レースに出場して優勝しているが、今年のファン投票は6位と相変わらず人気は高い。ただ今年はビッグレースで目立った活躍はなく、7月のガールズケイリンフェスティバルでも7、7、6着と3日間いいところがなかった。それでも1月の岐阜の予選2でガールズケイリン史上初の通算600勝を達成、今年前半の優勝が10回と決して調子は悪くない。ただ仕掛けのタイミングが少しズレている印象で、今回はしっかり修正して投票してくれたファンの期待に応える走りをきっと見せてくれるだろう。

山原さくら  高知 104期

 山原さくらは7月のガールズケイリンフェスティバルでは予選1が太田美穂とのもがき合いを制して2着、予選2は逃げて3着で優出を果たしている。決勝は捲り不発で7着に終わったが、ガールズ2期生で今やベテランの部類に入る山原ながらその走りはいつまでも若々しくファンからの支持は厚い。6月のパールカップでも決勝は7着だったが、予選が4着、準決が3着での勝ち上がり調子はいい。佐藤水菜や児玉碧衣らとのスピード勝負ではやや分が悪いかもしれないが、山原らしい結果を恐れぬ大胆不敵な走りでの逆転一発を期待してみたい。

この記事をシェア

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE

related articles