昨年新設されたガールズケイリンのGI・第2回パールカップが岸和田競輪場に於いて男子の高松宮記念杯と同時開催される。パールカップは3日制だが、高松宮記念杯と同様に勝ち上がり戦は東西対抗形式となり、東日本地区と西日本地区から選抜された選手たちが予選と準決までは東西に分かれて戦い、両地区から勝ち上がってきた7名が決勝戦で激突する。中心となるのはやはり完全復活を果たした児玉碧衣だが、4月のオールガールズクラシックで準優勝の吉川美穂も侮れず、オールガールズグラシックで力を出し切れずに終わった久米詩や小林莉子の巻き返しにも期待したい。
児玉碧衣は2月に体調不良で1か月余りの欠場を余儀なくされ、3月のコレクション取手ステージは7着に終わった。しかし、4月に入ると急激な回復を見せ、玉野、松山と2場所連続で完全優勝を達成すると、迎えた地元の大一番・第2回オールガールズクラシックも完全優勝し地元ファンの前で完全復活を高らかにアピールした。予選が12秒0、準決が11秒8、決勝が11秒9と上がりタイムも文句なしの完璧な走りだった。昨年の第1回パールカップも完全優勝を達成しており、今年も貫禄の走りで連覇を成し遂げてくるだろう。
坂口楓華は3月のコレクション取手ステージでは逃げた久米詩の番手から捲った石井寛子のさらに上を捲ってうれしいビッグレース初優勝を飾った。しかし、4月のオールガールズクラシックでは準決で5番手となってしまい懸命に捲るも4着と敗れている。それでも今年は5月の奈良までに優勝が11回と調子は悪くなく、完全に展開負けだったと言っていいだろう。昨年の第1回パールカップでは3日間勝ち星はなかったが決勝3着とまずまずの成績を残しており、今回もオールガールズクラシックの失敗を胸に優出を目指す。
吉川美穂は3月のコレクション取手ステージでは捲り追い込んだ坂口楓華を追走するも1車身の差を詰められずに2着だった。4月のオールガールズクラシックも準決は久米詩の捲りを差し切って1着で突破したが、決勝では児玉碧衣の捲りを追走するも1車身半の差を詰めることができず準優勝に終わっている。昨年7月のガールズケイリンフェステイバルと10月の第1回オールガールズクラシックも準優勝に終わっているだけに悔しさは半端ないはずで、さらなる脚力強化を図って今度こそのビッグレース初優勝を狙ってくる。
柳原真緒は3月のコレクション取手ステージでは周回中は児玉碧衣を追走するも捲り不発の児玉と共倒れの格好で4着に終わった。4月の第2回オールガールズクラシックも準決を2着で突破して優出しているが、尾崎睦の捲りを追走しての2着で、3日間自力を出せずに勝ち星もなかったのがやや残念なところだ。昨年の第1回パールカップでもしっかり優出しているが3日間勝ち星なしに終わっている。やはりビッグレースともなると自分でレースをつくるぐらいの積極性がないと勝利は難しく、今回こそは自力発進の走りを期待してみたい。
尾崎睦は4月の第2回オールガールズクラシックでは決勝は3着だったが、予選は奥井迪の逃げを3番手で追走して2着、準決は逃げた小林優香の番手から抜け出した石井寛子の上を捲り切って1着と存在感を示した。昨年11月の競輪祭女子王座戦でも決勝は5着に終わったが、梅川風子、太田りゆ、久米詩らの強豪ぞろいの準決では梅川風子の逃げに対して6番手からの捲りで2分の1車身差まで迫って2着と力強い走りを見せた。昨年の第1回パールカップは準決で6着と敗れているが、現在の調子ならば今年は優出が狙えるだろう。
ガールズ1期生の小林莉子は今もなおトップクラスで活躍中だ。4月の第2回オールガールズクラシックでは予選は太田美穂の逃げを追走して2着、準決は勝負どころの4番手で内に詰まる苦しい展開だったがさすがのテクニックで切り抜けて2着、決勝は7着だったが前受けから押し出される形で思い切りよく先行している。昨年の第1回パールカップでも予選2着、準決2着で優出と安定感は抜群だ。決勝では残念ながら落車棄権となってしまったが、今年もしっかり優出を果たして昨年の悔しさを晴らしてくれるだろう。
久米詩は昨年はビッグレースを2度制覇しているが、今年3月のコレクション取手ステージでは前受けから果敢に先行するも末脚を欠いて5着と近況はやや物足りない印象だ。4月の第2回オールガールズクラシックでも準決は逃げる吉村早耶香の番手にハマる絶好の展開だったが、そこから番手捲りを打つも3着と辛くもの優出だった。さらに初日ティアラカップと決勝は仕掛けきれずに6着と大敗している。昨年の第1回パールカップでは逃げ切りの2連勝で優出しており、好相性の岸和田バンクでの復活の走りを期待したい。