今年最初のビッグレースであり単発のビッグレースとしてはこれが最後の開催となるガールズコレクション2024取手ステージが、第8回ウィナーズカップが開催される取手競輪場に於いて最終日の9Rに実施される。主役を務めるのは王座奪還を目指す児玉碧衣だが、ベテラン健在の石井寛子や3度目のビッグ制覇を狙う久米詩の一発も十分で、思い切りのよさなら誰にも負けない山原さくらの大駆けも見逃せない。
児玉碧衣は、昨年のガールズグランプリは佐藤水菜と梅川風子のナショナルチームのコンビに敗れて3着に終わっており、今年の目標はもちろん打倒ナショナルチームだ。そのためにもパリ五輪後にナショナルチームが復帰してくるまでにすべてのビッグレースを制覇してやろう、という意気込みで挑んでくるだろう。1月は3場所走って当然のように3場所連続の完全優勝を果たしており、その後に腰痛が出て2月は出走がなかったのが気になるが、今回までにしっかり治して今年初のビッグレース優勝をもぎとってくるだろう。
坂口楓華は昨年11月に京都支部から愛知支部に移籍し、獲得賞金ランキング5位で2年ぶり2度目のガールズグランプリ出場を果たしたが、終始最後方の走りで5着に終わった。昨年は年間の優勝回数が18回で同回数の尾方真生と並んでトップの座を堅持したが、ビッグレースとなると消化不良の走りが多く優勝経験はまだない。今年も2月の四日市まで5場所走って完全優勝が4回と好調なだけに、トップレーサーたちが相手でも決して臆することなく本来の強さを発揮できるようなメンタルの強化に期待したい。
久米詩は昨年は5月のガールズケイリンコレクション平塚ステージでビッグレース初優勝を飾り、7月のガールズケイリンフェスティバルも優勝してガールズグランプ初出場を果たした。しかし、グランプリでは佐藤水菜の後ろと絶好の位置取りだったが、佐藤のハイスピード捲りに付いていけず4着と悔しい結果に終わっており、今年はさらなるスピード強化を第一に練習を積み重ねてくるだろう。今年は2月のいわき平まで4場所走って優勝は2回あり、1月の川崎決勝は逃げ切り、2月のいわき平決勝は追い込みと戦法の幅が広いのも魅力のひとつだ。
吉川美穂はトラックレース中距離の選手としてナショナルチームで活躍していたが、五輪出場の夢はかなわず21年5月に120期生としてデビューした。デビュー時は28歳とやや遅咲きだが、さすが基礎ができているだけに昨年は7月のガールズケイリンフェスティバルと10月のオールガールズクラシックで準優勝と活躍、ガールズグランプリ初出場を果たした。グランプリでは逃げる尾方真生の番手と絶好の展開だったが、うまく追走しきれずに6着に終わっており、今年もグランプリ出場を目標にビッグレースでの活躍が期待できるだろう。
石井寛子は13年のデビュー以来10年連続でガールズグランプリに出場、17年には優勝もしているが、昨年はついに連続記録が途絶えて出場できなかった。もちろん今年の目標はグランプリへの復帰だ。今年は2月の和歌山までに5場所走って完全優勝が4回で、1月の岐阜決勝だけは児玉碧衣の捲りに屈して2着だったが相変わらず勝ち星を量産しており、2月末時点での獲得賞金ランキングではトップを堅持している。今回のメンバーの中では最年長となる石井だが、磨き上げてきたベテランの技で後輩たちを翻弄して優勝を取りにいく。
山原さくらは昨年11月の競輪祭女子王座戦の予選では前受けから尾方真生の反撃に合わせて突っ張り先行を敢行、結果は7着だったがガールズグランプリの出場権がかかった大会で思い切りのよい走りができるのが山原の魅力だ。2日目選抜でも児玉碧衣を打鐘からスパートして見事に逃げ切っている。今年は2月の佐世保まで5場所走り1月の高知と大宮では捲りの3連発で完全優勝と好調だ。16年3月のコレクション名古屋ステージ以降はビッグレースでの優勝はないが、今回も山原らしい大胆不敵な走りで勝利を目指す。
柳原真緒は22年は5月のガールズケイリンコレクションいわき平ステージでビッグレース初優勝を飾り、初出場のガールズグランプリでも初優勝を達成したが、昨年はビッグレースでの優勝はなくガールズグランプリに出場できなかった。ガールズ初のGIとなったパールカップで優出しているが、決勝は中団を狙いにいくも落車のあおりを受けて4着、競輪祭女子王座戦の決勝も梅川風子の番手を狙いにいくが追走しきれずに3着と、うまく立ち回ろうとして競走が小さくなっている印象だ。今年は1月の松戸と2月の松阪で完全優勝と調子は悪くないだけにさらなる奮起を期待したい。