ガールズグランプリ2023が立川競輪場に於けるKEIRINグランプリシリーズの２日目11Ｒに実施される。今年から新設された３大会のGIの優勝者３名と11月の競輪祭女子王座戦終了時点での賞金獲得額上位者４名による対決だ。佐藤水菜と梅川風子のナショナルチームの２人と巻き返しを狙う児玉碧衣の激突が見どころだが、初出場ながら獲得賞金額でトップを走り続けている久米詩の一発も侮れない。

　
佐藤水菜　神奈川　114期

佐藤水菜は３月のコレクション別府ステージでは児玉碧衣の反撃を退けての逃走劇で優勝、８月のガールズドリームレースでは逆に児玉碧衣に逃げ切られたが、10月の第１回オールガールズクラシックの決勝では逃げる児玉碧衣を６番手からの捲りで捕らえて優勝し２年連続４回目のガールズグランプリ出場を決めた。11月の第１回競輪祭女子王座戦での決勝では番手から梅川風子に交わされて準優勝だったが、佐藤の個人上がりタイムは11秒７、予選と準決も11秒台の上がりで快勝しており、ガールズグランプリ初制覇に向けて調子は万全だ。

児玉碧衣　福岡　108期

児玉碧衣は落車の影響で冬場は低迷し３月のコレクション別府ステージでは佐藤水菜に逃げ切られたが、６月の第１回パールカップでは完全優勝を達成して復活、８年連続８回目のガールズグランプリ出場を決めた。８月のガールズドリームレースも逃げ切り優勝を飾ったが、10月のオールガールズクラシック決勝は佐藤水菜に捲られて４着、11月の競輪祭女子王座戦ではまさかの予選敗退に終わった。それでも３日目の選抜では捲りで快勝しており、昨年は落車に終わったガールズグランプリの無念を晴らすために巻き返しを狙ってくる。

梅川風子　東京　112期

梅川風子は２月の2023UCIトラック・ネーションズカップの女子ケイリンで銅メダルを獲得するなど自転車競技では確かな実績を残しているが、ガールズでは2020年のアルテミス賞レースでの優勝以外はビッグレースでの活躍がなかった。今年も８月のアルテミス賞レースは３着、10月のオールガールズクラシックでは準決敗退に終わっていたが、11月の競輪祭女子王座戦決勝では佐藤水菜の捲りを差して優勝、３年ぶり４度目のガールズグランプリ出場決めており、今回も世界の舞台で鍛えたスピードを見せつけてくれるだろう。

久米詩　静岡　116期

久米詩は昨年は年間の優勝が４回のみだったが、今年は５月のコレクション平塚ステージで３番手から捲ってビッグレース初優勝と急成長を遂げた。さらに６月のパールカップでは準優勝、７月のガールズケイリンフェスティバル決勝では児玉碧衣の逃げを番手から差して２度目のビッグ優勝を飾っている。10月のオールガールズコレクションは決勝３着、11月の競輪祭女子王座戦は準決敗退に終わったが、それでもなお獲得賞金ランキングではトップを独走しており、初出場のガールズグランプリで初優勝と賞金女王を目指す。

尾方真生　福岡　118期

尾方真生は３月のコレクション別府ステージが７着、６月のパールカップが予選敗退、７月のガールズケイリンフェスティバルも優出に失敗したが、10月の第オールガールズクラシックでは準決で逃げて２着に粘り込み優出を果たしており、やはり積極的に仕掛けることができれば本来の強さを発揮できる。11月の競輪祭女子王座戦も予選で敗れたが、２日目選抜で勝ち星を挙げ獲得賞金ランキング３位で３年連続３度目のガールズクランプリ出場を決めており、主導権を取った昨年のグランプリ同様に今年も積極的な仕掛けを期待したい。

吉川美穂　和歌山　120期

吉川美穂は今年のメンバーの中ではもっとも期の若い120期の新鋭だが、昨年はビッグレース初出場の７月のガールズケイリンフェスティバルでいきなりの決勝進出を果たしている。今年は６月のパールカップでは予選で敗れたが、７月のガールズケイリンフェスティバルでは決勝進出を果たして準優勝、10月のオールガールズクラシックも準優勝と健闘している。11月の競輪祭女子王座戦も決勝進出して獲得賞金ランキング４位でガールズグランプリ初出場を決めており、今回もトップレーサーたちを相手に好走してくれるだろう。

坂口楓華　愛知　112期

坂口楓華は６月のパールカップでは予選が４着、準決が３着で勝ち上がり決勝も３着と健闘した。その後は７月のガールズケイリンフェスティバルと10月のオールガールズクラシックで勝ち上がりに失敗したが、11月の競輪祭女子王座戦では予選が捲りで１着、準決も佐藤水菜に捲られながらも自身も捲りの２着で突破して決勝進出を果たしている。決勝は４着だったが、今年は11月までの優勝が17回で獲得賞金ランキング５位で２年ぶり２度目のガールズグランプリ出場を決めており、いつもどおりの好位置奪取からの自力勝負で優勝を狙う。

　

プレイバック　ガールズグランプリ2022
最後の直線で一気に伸びて柳原真緒が初優勝

尾方真生、奥井迪、児玉碧衣、柳原真緒、山原さくら、佐藤水菜の並びで淡々と周回を重ねる。残り２周の赤板となっても動きがなく、赤板の２コーナーからようやく山原が上昇を開始、山原が３番手の児玉の横まで上がったところで打鐘を迎える。山原はすんなり３番手に収まり、２番手の奥井が仕掛けるそぶりを見せるが、先頭の尾方が腰を上げて先行態勢に入る。７番手にいた佐藤も上がってきて、尾方、奥井、山原、児玉、インに石井寛子、アウトに佐藤、柳原の並びで最終ホームを通過する。最終１センターから佐藤が仕掛けるが車が伸びず、石井が児玉の内をすくって４番手に上がる。２コーナーから奥井が仕掛け、懸命に逃げる尾方を最終バックで捕らえて先頭に立ち、山原が続く。児玉も捲ってくるがスピードはいまいちで、コースを失った柳原が内に切り込んでいく。３コーナーで児玉が石井に並びかけると、石井の牽制を受けて児玉が落車、佐藤も落車に巻き込まれる。奥井、山原、柳原の順で最後の直線に入り、柳原が直線一気に伸びて初優勝、山原が２着、奥井が３着。