ガールズケイリンフェスティバル2023が函館競輪場に於いて男子のサマーナイトフェスティバルと同時開催される。総勢21名のガールズによる3日制のビッグレースだが、ガールズ初のGIとなった6月のパールカップを制した児玉碧衣が今回も中心となるだろう。もちろんパールカップで準優勝の久米詩や柳原真緒らの逆転も十分で、小林優香や山原さくらの大駆けも侮れない。
児玉碧衣は落車の影響で冬場は低調だったが、3月の高松で今年初優勝を決めると調子は右肩上がりとなり、ガールズケイリン初のGIとなった6月のパールカップで見事に初代チャンピオンとなった。予選は逃げて上がりタイムは11秒9、準決は捲りで11秒7と完璧な勝ち上がりで、決勝も後方で落車のアクシデントがあったものの逃げ切りで完全優勝と女王復活を高らかに宣言した。以前の児玉は夏場がやや苦手の印象がありフェスティバルの優勝はなかったが、今回はパールカップの勢いに乗って初優勝をもぎとってくるだろう。
久米詩の快進撃が止まらない。久米は昨年9月からナショナルチームのメンバーと一緒に練習させてもらえるようになりレベルアップに成功、今年5月のコレクション平塚ステージでビッグレース初優勝を飾った。その後も順調に勝ち星を積み重ね、昨年の優勝はわずかに4回だったのに今年は6月の伊東温泉までに8回の優勝を数えている。そして迎えたパールカップも逃げ切りの2連勝で勝ち上がっての準優勝だった。今回もナショナルチームのハードな練習の成果を遺憾なく発揮して優勝候補の一角に名乗りを上げてくる。
柳原真緒は昨年のガールズグランプリを制して女王の座に就いたが、3月のコレクション別府ステージは6着と期待外れに終わった。それでも5月のコレクション平塚ステージでは勝負どころで6番手と組み立てに失敗したが直線伸びて2着とさすがのスピードを見せつけた。その後は2場所連続で優勝を逃して調子は下り坂だったが、6月のパールカップでは3日間勝ち星こそなかったものの優出を果たしている。フェスティバルも今回で5回目の出場となるが、過去4回は優出を逃しているだけにグランプリ覇者の名にかけて初優出を目指してくる。
坂口楓華は1月の岸和田から怒涛の連勝街道をスタート、11場所目の5月の岸和田の決勝で捲りを久米詩に交されて2着となり連勝は32でストップしたが、次場所の6月の京王閣も逃げと捲りの3連勝で完全優勝と快調だ。続くパールカップでは予選は児玉碧衣に主導権を取られて4着に終わったが、準決では児玉碧衣、小林優香、柳原真緒らを相手に打鐘から先行態勢に入って3着に粘り決勝進出、決勝も3着と健闘してトップレーサーたちと互角に戦えることを証明しており、今回もパールカップに続いての優出が期待できる。
尾方真生は6月のパールカップの予選では勝負どころで3番手の内に詰まり、なにもできずに後退と最悪のパターンとなってしまったが、2日目選抜は林真奈美の逃げに素早く反応しての捲りで1着、3日目特選は前受けからの逃げをいったんは吉川美穂に叩かれたもののゴール前で差し交わして1着と本来の強さを発揮した。フェスティバルは21年の函館の大会でビッグレース初出場初優出を達成、昨年の玉野の大会でも2連勝の勝ち上がりで優出しており、自分の力を信じて積極的に仕掛けられれば3年連続の優出が期待できるだろう。
小林優香は3月のコレクション別府ステージは2着、5月のコレクション平塚ステージは3着と優勝はなかったが、次々と台頭してくる若手選手達を相手にベテランらしい百戦錬磨の走りで健闘してきた。しかし、5月の玉野のあとに腰痛が再発し、体調に不安を抱えるまま参戦した6月のパールカップでは残念ながら優出できなかった。それでも予選は逃げる太田美穂の番手を回り、柳原真緒や日野未来の捲りを退けて勝ち星を挙げており、今回も経験に裏打ちされた巧みな走りで勝ち上がりを目指してくる。
山原さくらは5月のコレクション平塚ステージは7着に終わり、直後に鼠径靭帯損傷に見舞われ3場所欠場して6月のパールカップに臨んだ。結果は優出ならなかったが、予選は逃げる児玉碧衣の3番手を取りきって3着、準決は7着だが坂口楓華と主導権争いを演じており、欠場明けとは思えないほど動きは軽快だった。そして3日目の選抜では逃げる奥井迪の3番手でしっかり車間を切ってから捲って1着と、山原らしい豪快な走りも健在だった。フェスティバルは昨年の玉野大会で優出しており今回も力強い走りで優出を狙ってくる。