今月のMVP
眞杉匠(23)栃木113期 S級1班
関東期待の大型大砲として目下、売り出し中の眞杉。これまでも各地でスピードレースで魅せていたが3月名古屋記念(GⅢ)で記念を初制覇したことで、一皮むけた感がある。
今月はいわき平「日本選手権競輪」(GⅠ)と宇都宮「開設記念」(GⅢ)、そして佐世保「全プロ選手権記念競輪」(FⅡ)に出場した。いわき平の準決は4着入線だったが、郡司浩平の失格で繰り上がりチャンスを生かし、2年連続してダービー決勝に進出した。
いわき平と宇都宮の8走はすべてバックを付けた。ホームを取れなかったのはわずか2走だったが、いずれもホームから踏み上げており始動は早かった。Gクラスの勝ち上がり戦でも構えることなく大胆に前々に畳み込めるのは大きな武器。だからといって、無理駆けというわけでもなく、いずれも決勝に乗っており、明らかに成長を感じる。
末脚の粘りを欠いて着外に沈むレースもあったが、それでもラインを固めた選手を確定板に送り込んでいる。進撃はまだまだ続きそうで、この先控えるビッグ戦線で大暴れすること必至だ。
レース 福井FⅠシリーズ 5月22日初日12R特選 北津留翼
言わずと知れた脇本雄太の地元凱旋シリーズ。ダービーを制し、競輪に完全復帰を果たした脇本の3連勝は当たり前と目された開催だったが、まさか北津留が初日から脇本を撃破した。
脇本は車を下げると打鐘5番手から猛チャージを掛けたが、番手の鷲田佳史が離れてしまった。状況を見た北津留は2角から怒涛の勢いでまくり上げて直線を強襲。脇本の上がりタイム11秒1の先行を、8分の1輪差で捕まえた。北津留の上がりタイムは10秒8とこちらも破格だった。
かつてナショナルチームにも在籍していた永遠のスプリンターの爆発力はまだまだ健在だ。まだ37歳と決して老け込む年齢ではなく、もうひと花を咲かせて欲しい。