現役時代の疑問と、そこから養成所に在所中の候補生にアドバイス。神山雄一郎所長が現役のときには聞けなかった疑問を直接ぶつけてみた!からの候補生にアドバイスに繋がったインタビューです。
神山所長の現役時代は本当にレジェンドで、さまざまな時代を築き上げた選手の一人でした。
その選手の時に疑問に思っていたことがありました。
特に前検日のインタビューで、あるフレーズがある時には、ほぼ優勝していた印象がありましたので、現役時代にメディアにはどのような対応をしていたのかをお聞きしましたら、意外な返答が。
そしてそこから候補生にアドバイスとなりました。是非、お楽しみください!
6日制が良かったですね
(前回より)次は、神山所長の現役のときのお話をお聞きしたいなと思います。
まずは、神山所長にとって記者からの取材というのはどのように受け止めていたのでしょうか。
「いや自然体で普通に受けていたと思うんですけど…僕も、人間なんで。 はい。 機嫌良い時悪いときあったと思うので(笑) 」
ですけど神山さんは起伏があるといった感じなかったですよね。
「どっちかといえばそうですね。はい。あんまり」
わりとフラットな感じで応えて頂けていたと思っています。ただ一点すごく気になっていたことがありまして、神山さんが自分からちょっと調子がすぐれない的な事を言っている時に限って優勝すると感じた事があって…。それはいったいどういう事だっだんだろうという事なんですが。
「それはあんまりわかんないです(笑)。僕もどうだったんですかね。いや、わからない…。 どっちかといったら、だんだん、だんだん調子が上がってくるタイプなんですよ。 どちらかといえば、はい」
前検日はもう結構ハードにトレーニングして、そのまま入ってきたっていう感じだったのでしょうか。
「そうですね。 でも、そこまではハードではないとは思うんですけど、本当に。やっぱり走っていくうちに馴染んでくるタイプだと思うんですよ。 何となく上手に走れるようになってくると。だからGⅠでも6日制がやっぱり良かったですね。 (日程が)長い方がいいんですよ。 ごまかしが利くというか、修正ができる。 長いんで。1週間あるじゃないですか」
それは神山さん以外聞いたことないかもしれない。
「長ければ長いほど、ごまかしが利くっていう感じですよね。 相手のことも見られるじゃないですか。相手のことを見つつ、自分を調整しつつ、上手に上手にごまかしていけば、何とかなるっていう。準決勝は3着まで何とか残ればと思いますし、初日を頑張って3着に入って中日の特選に乗ってしまえば、そこもうまく使えるし。そう考えると、6日制でごまかしながらやっていたのが一番良かったです。Gレース4日制だともうごまかせないうちに準決勝、決勝ってなってしまいますよね」
もしかすると今の体制になった方が良かったですか?(高松宮記念杯競輪、オールスター競輪、競輪祭が6日制に戻った現在)
「はい。 まだ全然良かったですね」
今の選手は体力が削られるので6日制はあまりという声が多く上がっていますが。
「体力が多分あったと思います、結局は。人よりも練習していたと思うので、体力的には全然、はい。僕はどちらかといったらあまり深く考えないし、宿舎でいつも楽しく生活していました。みんなとゲラゲラ笑いながら、神山さんのいる部屋はいつもわかりますよ、って言われながら、でかい声で笑っていました。そういう状態でいつもいたので、ストレスもそれほどない状態のまま6日が過ごせていました。逆に他の人はストレスとか疲れがたまってきた状態が最終日とかだったかもしれないですね。その差は大きかったと思います」
競輪場に入りいかに6日間とか7日間ストレスフリーで最後まで持っていけるかというところでしょうか。
「僕の場合は自転車とかも好きじゃないですか。なので検車場で自転車を触ったり、誰かの自転車をみたりとか、あれがもうストレスを緩和させるというか。 みんなで喋りながら、これだ、この自転車どうなのと聞きながら、やっぱり楽しいんですよ、それが僕の中では。それで新たな情報を得て帰ったら、この自転車を頼んでみようかなって思いながら寝るんです。多分、自分の性格が競輪選手に合っていたと思いますね」
悩んだら直ぐに解決。毎日、ご機嫌にすごそう。常にポジティブに。ですか。
「なので僕は候補生にも言うんですよ。 毎日ご機嫌で過ごしてくれって。 だから、ちょっとしたことにもう悩むな。 悩んだって意味ないから悩むんだったらもう、すぐ解決しろと言うんですよ。 これだけ仲間がいるんだから、もう誰かしらわかっている人がいるから、悩んだときはもう誰でもいいから喋って解決して、夜には気持ちよく、明日楽しみだなと思って寝ろと言うんですよ」
いやそれ、秘訣ですよね。
「ここ(養成所)で悩んでいる意味がないじゃないですか。練習してご飯を食べて、仲間と喋って、よし、また明日練習しようと思って寝ればいいんだけど、やっぱり悩むんです、候補生はまだ。なので悩むな、もう俺でも何でもいいから聞け、先生にも聞いて、悩みはその日のうちに解決して、夜はご機嫌で、明日楽しみだなと思って寝てくれっていつも言っているんです」
悩むのは、養成所を出てからでいいですよね。
「はい。 どうせ出たら悩むことがいっぱい出てくるのだから、(養成所)中で悩むことはないです、本当に。若い子が、まだ20代前半の候補生たちが、 悩んでいるのはかわいそうで。もう本当、自転車のことで考えて練習して、よし、明日もまた強くなろうと思って寝て、それを繰り返していくうちにあっという間に卒業してしまうから」
ですよね。
「僕はそこが一番。毎日ご機嫌で過ごしてくれ、ご飯たらふく食って、時間が余ったら練習して。あと、みんなと喋って楽しく1日過ごして、夜は楽しく寝ろって。なんでも悩むなっていう話はいつもしているんですけど、かといってもやっぱり悩む要素っていうのはたくさん出てきます。人と比べられてしまうし、タイムは出てしまうし。そういうのも全て含めて上手に僕が喋ってあげるんです。タイムなんて気にするな、競輪にタイムは関係ないからっていうことを言ってやるんですよ。タイムは関係ない、走る度に良いタイムを出していたら、最後にタイムはなくなっちゃうゼロになっちゃうぞって言って。良かったり悪かったりを繰り返しながら、少しずつでも上がっていけば、もう相当いいだろうって話して。今日悪くても明日良いかもしれないんだから、そう思って寝ろって言って」
そうですよね。 だからちゃんと練習しなくてはいけないという話ですよね。
「いつ強くなるかわからないから、今悩んで諦めたらもう終わりだからって。いつ、ブレークスルーするかわからないじゃないですか」
それは本当、長い競輪人生のどこにピークがあるか分からないですよね。
「いつ来るかわからないのに諦めたら終わりじゃないですか。 だから本当、その話はもう年中してあげるんですよ。落ち込むやつとかもいるから気にするなって言うんですけど、一言僕が言えば多少は違うと思うので。本人にとっては、重大だとは思いますけどね。だから悩みがあれば直ぐに誰かに相談したりとかしてすぐ解決することをしてほしいですね」
いかがでしたでしょうか。これから養成所を受ける皆さん、候補生の皆さん、そしてこれを読まれているファンの皆様、レジェンドの神山所長の考え方はポジティブ。でも、根底にあるのはしっかり練習を積み上げてきた自信だと思います。
しっかり自信の土台を積み上げてポジティブにいきましょう!