3月9日、玉野競輪開設74周年記念 瀬戸の王子杯争奪戦(GⅢ)の最終日9レースに『125期ルーキーチャンピオンレース・若鷲賞』が行われました。
森田一郎選手と上川隆義選手の関東2人、谷内健太と南部翔大選手の近畿2人がラインを組み、中石湊選手、阿部英斗選手、岩井芯選手、塩島嵩一朗選手、遠藤拓巳選手が単騎となりました。
入れ替わりの激しい難しいレースになりましたが、それを制して阿部選手が優勝を決めました。ガッツポーズをしながら涙ぐんでいた阿部選手、師匠の吉岡稔真氏の「優勝してこい」の激励を、しっかりと実現させました。
■ルーキーチャンピオンレースメンバー
1番車・森田一郎(埼玉)
2番車・遠藤拓巳(香川)
3番車・阿部英斗(福岡)
4番車・中石湊(北海道)
5番車・岩井芯(岐阜)
6番車・谷内健太(京都)
7番車・塩島嵩一朗(神奈川)
8番車・川上隆義(栃木)
9番車・南部翔大(大阪)
■レース展開
中石湊が前を取り、並びは中石、森田一郎、川上隆義、阿部英斗、遠藤拓巳、岩井芯、 塩島嵩一朗、谷内健太、 南部翔大の並びになった。青板バック過ぎから谷内が上昇するが、赤板前で遠藤が合わせて車をあげて前に出て、誘導員を切った。打鐘過ぎに中石が叩き、中石に森田が続く。阿部も内に切り込み、塩島も後方から車をあげるが川上に捌かれ車を下げた。谷内は並走していた川上を飛ばし、そのまま前を叩いて谷内が先行。再度、塩島が車をあげるも、中石が牽制する。その空いた内に森田が切り込む。阿部もコースを縫って森田も後ろにつく。森田が中石をどかしながら最終バックから捲りを放つ。さらに阿部は中石を牽制しながら、森田を追走。直線に入り、阿部が森田を追い込んで優勝を決めた。2着は森田。3着にはあれだけ牽制されながらも粘った中石が入った。
■選手コメント
優勝の阿部英斗
「125期で何も1位を取れていなかったので、この125期だけで戦う最後のレースを獲れたことはこれから先も自信につながると思いますし、ああゆうレースもできるというところを見せられたことはいいレースだったと思います。ちょっと前に小倉で合宿があったんですけど、そこで僕がここで勝てるように9車で全員が単騎の練習を何回もしてくれて、岩谷(拓磨)さんや園田(匠)さんらと走って上手くいかない展開がたくさんあったんですけど、そういう展開にだけはならないようにと思い、それを活かせたと思います。最後、後ろは見えてなく、横に中石君が見えていたので真っすぐに踏まれたら負けると思ったので、そこは自分のコースを確保しつつ、その後ろから来られたら力負けということで練習し直せばいいだけなので、最後は後ろも振り返らず自分のタイミングで踏めたと思います。すごい声援で、たくさんの子供もたくさんいて、自分の昔を見ているようで彼らに夢を与えられたらと思いました。師匠(吉岡稔真)に『勇気を与えるレースをしてこい』って言われたので、そういうレースはできたかなと思います。今日みたいなレースをすると付いてもらえないので、ラインで決められるレースをしていきたいです。今年の一番の目標はヤンググランプリですが、8月まで競輪祭の出場権利を取れるように頑張りたいと思います。こんなレースをした後では信用感がないかもしれませんが、デビューから目標は師匠を超えることなので、それを目指して頑張りたいと思います」
2着の森田一郎
「中石君がスタートを取ったので、その後ろを取って、緩んだところをすかさず行こうと思っていたんですけど、ホームで行くべきでした。一回緩んで、塩島さんが来たので、そこからは運次第になっちゃいました。運よく内が空いたんで行ったけど、玉野バンクの重いとこを踏んじゃって。阿部君とゴール勝負になったけど、負けたのは自分の力が足らなかったので、練習あるのみです。正直、悔しすぎます。目標はGIの優勝なので、そのためには力を積み重ねていくしかないと思うし、そう意味では今回負けたことはいい糧になると思うし、頑張っていくだけです」
3着の中石湊
「一回叩かれたけど、すかさずに仕掛けて、自分のレースができたと思います。谷内さんの後ろがいなかったので、いい位置を取れたと思ったけど、センターで後ろを見ていた時に内が開いて、そこに森田さんが入ってきて、そこが今回の自分の失点だと思います。優勝を狙っていたので、3着は嬉しさよりも悔しさが大きいです。早くS級にあがりたいという気持ちがあるので、積極的に走って1着を取りたいと思っています」
4着の南部翔大
「谷内君が頑張ってくれたのに、離れてしまったのが残念です。単騎もいるし、阿部は内に来るなとは思っていたんですけど、そう思った瞬間に浮いて来られたので、そこは勉強にはなりましたが、もう少し谷内君をサポートできればとは思います。またどこかでヤンググランプリとかGIで一緒に走れたらですね。その時は僕が自力でって言ったら『なんでやねん』って言われました(笑)。また頑張ります」
5着の岩井芯
「後ろになってしまって、単純に力負けでした。やはり単騎のレースは難しかったですね。また勝てるように頑張っていきたいと思います」
6着の谷内健太
「自分は先行しようと思っていたので、自分のやりたいことはできたけど、改善点も見つかりましたし、まだまだ力不足は感じましたので、もっともっと練習して頑張ろうと思うきっかけになりました」
7着の川上隆義
「最近、番手したいなって言っていたんですけど…浅はかでした、僕が。ちょっと情けなかったので練習してきます! 番手も競られて負けたし、着にも残れてないし、僕が仕事をできていれば森田君ももっと良かったなと思うし、申し訳なかったです。次に森田君と一緒の時に迷惑をかけないように。練習します」
8着の塩島嵩一朗
「勝負所、2センターで緩んだのはわかったんでシッティングでそのまま踏み出そうと思ったんですけど、その時にちょうど谷内とかぶっちゃって、そこで悩んでしまったのが敗因でしたね。そこを思い切って行っていれば面白かったですね。道中も森田の後ろを取れそうでしたが、川上に内からすくわれたりしたのでそこは技術不足だったと思います。チャンスはあったと思うけど、ものにできなかったです。技術面も気持ち面もまだまだなんでしっかり練習してきます」
9着の遠藤拓巳
「もう少し早めに来るかなと思ったんですけど、中石君が来て、引いた時点で、森田君のところで勝負するしかなかったですね。初手の位置だと自分から動かないと後方になるので切ってと思ったけど、甘くなかったですね。同期に比べて劣っているところがあると思うので、また一から頑張ります」