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直送!競輪場便りfrom和歌山競輪場 大川剛(青森121期)
インタビュー 2022.08.31

直送!競輪場便りfrom和歌山競輪場 大川剛(青森121期)

#競輪場便り

北のターミネーターへ 

高校野球で仙台育英が春夏通じて初めて東北勢に栄冠をもたらした歴史的な年(2022年)に、青森から競輪界の頂点を狙う養成所在所2位の逸材がデビューした。

 ルーキーシリーズを経て7月に本格デビュー。その地元青森チャレンジ1、2、1着で優勝と幸先のいいスタートを切った。それでも「本当は3連勝、さらに9連勝で特別昇班を狙っていたから準決の2着の悔しさしかなかった」と心から喜べなかった。すでにS級を決めてはるか前を走る同期で早期卒業した中野慎詞、太田海也の背中を追う。

「いつかは追いついて、追い越したい」と心の内を吐露した。

 高校から始めた自転車競技は、練習はきつかったが結果が出るにつれて面白くなった。ロードやトラックでインターハイにも出場。スポーツ推薦で大学でも続けた。大学内のバンクでは、競輪選手と同じバンクで練習する機会もあった。高校時代から自転車競技の世界では知られた同世代の嵯峨昇喜郎、小原佑太らがプロで活躍するのも耳にして、刺激を受けて養成所に入所。記録会ではそれぞれのカテゴリーでタイムをクリアし、ゴールデンキャップを獲得して一気に注目を浴びた。

在所成績2位でも満足はしていなかった。

「早期卒業の2人がいたし、養成所の時から先行にこだわって戦っていた常次勇人はデビューしたらいきなり結果を出した。自分もデビューしたら勝ちにこだわる小さなレースはせず、常に主導権を取るレースをしようと思った。そうしないとS級では通用しない」と強い決意を持ってプロのレースに踏み出した。

 7月の本格デビューから5場所目の和歌山FⅡチャレンジ決勝では前受けの別線に突っ張られて初の7着に敗れた。「まだまだ足も経験も足りない。でもいい経験をさせてもらったと思ってリセットします」と切り替える。

尊敬する人はアーノルド・シュワルツェネッガー。趣味の筋トレの延長で知って動画を見たらそれはトレーニング方法ではなく映画俳優から政治家になった男のポジティブシンキングを語った動画だった。その考え方に共鳴した。もちろん筋トレは継続して競輪に必要な筋肉も身につけた。

最終目標は先行で圧倒してS級に定着すること。それはGⅠ制覇の道へとつながる。筋肉、パワー、スピードを常に進化させて〝北のターミネーター〟として輪界の全国制覇の夢を実現させる。

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