GⅠで勝つことを目標に
齋木翔多が、キャリアハイとなる競走得点を伸ばし続けている。
今期は年頭の和歌山GⅢで3度の確定板入りを果たし、準決勝にも勝ち上がるなど好スタートを切った。2月の久留米では予選、準決勝と連勝で決勝に進出。決勝進出は2024年7月の前橋以来、1年7カ月ぶりだった。
好調の裏には意識の変化があった。2022年後期に初めてS級に上がってから、4年がたとうとしている。S級には定着したものの、競走得点は98~102点を行き来する状況が続いていた。「去年の8月はなかなか調子が上がってこなかった」。強くなるためにはどうすればいいのか。すべてを変える必要があった。
「他の選手なら、いいときの練習やセッティングに戻すんだろうけど、自分にはいいときがなかった。1年を通して高水準ということもなくて、点数も良いときで103点。ただ、そこに戻っても意味がない。それなら、と練習も一新した」
S級に上がってからは、ワットバイクを使った練習がほとんど。1本、1本出し切ることを意識し、その本数も増やした。「ダッシュ力が上がった気がする。長い距離も駄目になった感じはないし、1回脚を使ってからが以前より良くなっている。しっかり入る感覚がある」と、その成果を実感している。
成績が上がるにつれ、目標は「GⅠに出たい」という漠然としたものから、「GⅠで勝ちたい」という明確なものに変わった。先日、地元・静岡でGⅢが開催された。「そこに出ていないのが情けない。深谷(知広)さんが自力で戦う姿を見て、自分や(長田)龍拳が台頭しないといけない、と思った」。悔しさ、そして強くならなければならないという思いをかき立てられた。
久留米の決勝進出で、今期の競走得点は107点に到達。目標とするGⅠの舞台は、少しずつ視界に入ってきた。
「もっと点数を上げたいし、成績を残したい。まだS級で優勝したことがないので何とも言えないけど、そこは目標ではない。そこを目標にすると、優勝したら落ち着いちゃう部分があると思うので。あくまでGⅠで勝つことを目標にしていきたい」
初のS1も、S級優勝も通過点でしかない。さらに大きなステージを見据えながら、ここから着実にステップアップしていく。