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直送!競輪場便りfrom奈良競輪場 佐藤竜太(愛知119期)
インタビュー 2026.02.11

直送!競輪場便りfrom奈良競輪場 佐藤竜太(愛知119期)

#競輪場便り

つかんだ飛躍のきっかけ

 ひとつのレースが飛躍のきっかけになる。よくあることではあるが、その確率は決勝であろうと補充であろうと同じだ。極寒の中で行われた奈良開設記念の最終日、2R一般に出走した佐藤は、この日だけの追加参戦。7車立てではあったが、佐藤にとっては燃える理由があった。番手を回るのは、地元の大先輩・伊藤正樹。佐藤と伊藤はこの2場所前の熊本FⅠ最終日を含め、過去4度連係してどちらも連対なし。この日は3番手に斎藤登志信(宮城)も付いて、さらに気合が増した。「伊藤さんにも斎藤さんにも、行けるところからでいいよと言ってもらった」。ベテランからの助言を得て「力を出し切れば前には出切れるはず」と、自信が湧いてきた。

 前受けの大槙大介(岡山)がにらみを利かす中、打鐘前2コーナー過ぎに4番手から仕掛けると、単騎の中島将尊(東京)まで続く絶好の形に。大槙の反撃は伊藤がけん制して不発に追い込むと、佐藤が押し切ってゴール。佐藤にとっては、記念初白星となった。それでも「斎藤さんに固めてもらったのは大きかった。でも、それを含めてきょうの1着は恵まれの部分もあるので」と、気を緩めることはなかった。

 自転車界の名門、岐阜・岐南工高時代の2018年には、馬越裕之(奈良)、児島直樹(養成所129回生)らと組んだ「アジア選手権トラック」ジュニア男子・チームパーシュートで銀メダルを獲得。鳴り物入りで養成所の門を叩いたが、在所時は1勝、49位での卒業となった。それでも21年のデビュー後はコツコツと実績を積み重ね、昨年7月にS級昇級。3場所目の川崎FⅠで初勝利を挙げたが、10月富山FⅠ初日に落車失格。終始4番手位置を争う形で外へ押し上げてのものだった。「S級に上がりたての頃は、色気を出してまくりにいったりしていた。それで10月に落車して…。2か月休んでいる間に、いろいろ考えた。やっぱり積極的に行かないといけない、と」。気持ちを入れ替え、今回半年ぶりの1着をつかみ取った。

 前期の失格もあり、今年7月からはA級に戻ることが濃厚だ。それでも「ぶっちゃけ、今の自分の脚力は点数通り。名古屋でみんなと練習していても、弱すぎて…。S級パンツをはいているのが恥ずかしいくらい。でも、これでやっと決まり手(それも逃げ)が付いた。ヒロト(纐纈洸翔)と一緒に愛知、中部を引っ張っていけるようになりたい」と目標を語る。積極駆けが佐藤の代名詞になった時、輪界の勢力図が変わるかもしれない。ここから自分を信じて、風を切る。

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