実に22年11月の松戸以来、3年ぶりの優勝を関根が飾った。「長かったですね。自分のラインからは優勝者は出ていましたが、本当に嬉しいです」と笑顔を見せながらも感慨深げだった。
関根の優勝は、初日特選の走りから思えば、可能性は大きかった。当日に宮城の阿部架惟都が欠場し6車立てに。メンバーも小原唯志、稲村好将、清水剛志など濃い中での戦いだった。阿部の欠場で山崎司が急遽、関根マークに。打鐘で小原ラインを抑え先行態勢に持ち込む。ホームで6番手の清水が上昇してくると関根も踏んで先行争いに。両者一歩も引かない先行争いに場内は沸いた。関根は「自然と体が動いた」というように、清水を自らブロックするなど大暴れ。結果は5着に沈んだものの、清水を出させなかった。以前の関根なら清水を出させて引くか、インで粘ることもできたはずだが、それをせず先行を貫き通したのはデキの良さに自信を持っていたのだろう。
準優は中武三四郎が単騎、関根―須藤誠と東北3車の2分戦。前を取った関根に対し、東北勢が打鐘で上昇。小笠原一真の後ろの宇佐見裕輝が踏み出しに遅れると、須藤が遅れてきた宇佐見を牽制、関根は番手に入ることになった。それでも宇佐見が追い上げ競り合いに。だが、器用な関根はホームで宇佐見をどかすと、あとは直線で踏み出し1着。「勿論、先行するつもりでした。だからこそ結果的に番手に飛びつけたと思う」。冷静なレース運びが光った。
迎えた決勝戦は、準優で敵だった小笠原を目標に進めた。先行態勢に入った小笠原だが、ホームから反撃してきた出口謙一郎に出られ、番手にはまる形に。3コーナーで小原がまくりに出ると小笠原が外に振る。その瞬間、関根が2センターから内に切り込み、3年ぶりの優勝を決めた。「小笠原君が外に持っていったのを冷静にみることができました。あとは無我夢中でした。3日間、レースが見えていました」。
今年1月にS級から陥落して不本意な結果が続いていたが、「高木隆弘さんに、平塚でバイク誘導をしてもらうようになってから良くなったと思います」以前からバイク誘導練習はしていたが、本数が大幅に増え「あのスピードを体感できて、改めて自分の甘い部分にも気がつきました」。今年は残り3開催で「S級の点数が取れるようにがんばりますが、点数のことを意識しすぎると競走が小さくなるので、あまり考えないようにします」。3年ぶりの優勝の喜びも束の間、関根はS級へと視線を向けた。