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直送!競輪場便りfrom 前橋競輪場 恩田淳平(群馬・100期)
インタビュー 2025.11.12

直送!競輪場便りfrom 前橋競輪場 恩田淳平(群馬・100期)

#競輪場便り

恩田が地元開催となったGⅠ寬仁親王牌に初出場。「出場が決まってからずっと集中してきました」。その言葉通り予選を突破し、準決に勝ち上がっただけではとどまらず、決勝の舞台に。惜しくも4着だったが、目の前にタイトルがあったことは事実であろう。

 決勝に触れる前に大きなポイントになったレースが準決だった。当日、同じレースで戦う脇本雄太がウォーミングアップ中のアクシデントで欠場。ライバルが一人減ったわけだが、恩田は正々堂々と戦いたかった。そしてレースは、菊池岳仁、雨谷一樹の3番手。菊池が犬伏湧也を相手に先行策。打鐘で犬伏が叩きにくると雨谷が大きくけん制。恩田はそのインを突き、菊池を追走する形になった。降りてきた雨谷が恩田の後ろとなった。「正直、シビアだったと思います。でも体が反応したし、勝負がかかっていたので」。犬伏には出られた菊池だが3番手から追走し、最後は恩田が菊池を交わして決勝への権利を手にした。決勝進出を決めた後の検車場で、同期・同班の古性優作から「良かったな」と声をかけられたそうだ。

 いい緊張感を持って臨んだ決勝。犬伏が後方から仕掛けを逸するのを尻目に吉田拓矢が打鐘前から腹を括って先行。恩田は絶好の2番手。嘉永泰斗が3番手で4番手に古性。恩田は車間を切り、まくりに備えた。「自分としてはできることをしたけど、それでも行かれてしまうのは力の差を感じました」。嘉永にまくられたが、その後ろの古性とは最後まで激しくぶつかり合った。「前に踏めば3着はあったんじゃないかという人もいましたけど、僕は今まで一度も番手まくりをしたことがないんです。それが自分の競輪道ですから。足りなかったのは単純に自分に脚がなかったから」と潔いコメントを残した。

 地元開催で大きな重圧がかかっていたこともあるだろう。その中で最後の9人に残ったのは立派だろう。「超一流との差を感じたけど、このメンバーで優勝を争えたこと、古性のレベルには全然足りていないけど、それでも大舞台で戦えたことは財産になります」。自分の競輪道を貫き通した恩田に後悔はない。

「この経験を生かして準備を怠らないことを肝に銘じて、また頑張ります」

結果は結果だが、恩田の競輪に対する意識、考え方が伝わったレースだった。

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