栃木所属の杉浦侑吾と聞いて、多くの人が「ん?」となったと思うが、実はこの男、中部の大砲としてGⅠ戦線でも活躍していた藤井侑吾。今年の10月に愛知から栃木へ電撃移籍し、登録名も「藤井」から「杉浦」に変更。新たな舞台で第2の競輪人生をスタートさせる。
「移籍の理由は結婚です。籍を入れたのが6月で、それから栃木に住んでいます。普段の練習は基本的に街道メイン。あとは室内でワットバイクとか。宇都宮のバンクにはまだ数えるくらいしか入っていません。愛知時代は1週間に1回くらいのペースで(名古屋バンクに)入っていたんですけど、よそから来たというのもあってなかなか…。もっと気軽にお邪魔していいものなのか。どうなんでしょう」と新しい環境でやや遠慮がち。
そんな杉浦の移籍後初戦は10月の弥彦FⅠナイター。初日特選では挨拶代わりの先行で吉澤純平に1着をプレゼント。2日目の準決勝は得意のカマシで1着を取るなど、登録地が変わっても脚力は変わらず力強い走りを披露。ただ本人は「豪快なレースができたのはよかったけど、組み立ての部分でよくなかったところがある」と反省を口にし、「末の部分がもうちょっと…」と課題も見据える。
中部時代は山口拳矢や浅井康太の前でひたすら頑張ってきたが、新天地の関東地区には吉田拓矢・眞杉匠のツートップを筆頭に、森田優弥、佐々木悠葵、坂井洋などイキのいい機動型が勢ぞろい。「楽しみと不安が半分半分です」とは杉浦本人の素直な今の気持ちで、これからは新しい仲間と力を合わせてGⅠタイトルを目指していく。弥彦で同じあっせんだった師匠の水谷良和(愛知・70期)も「愛知でナンバーワンになっても、全国で見たら強いヤツはゴロゴロいる。(今回の移籍は)アイツにとってはいいんじゃない。レベルの高いところで揉まれてもっと強くなってほしいね」と期待を寄せた。
~弥彦競輪場から。