地元記念一次予選敗退でスタイルチェンジを決断
変幻自在な立ち回りをウリとするオールラウンダーが本格的なスタイルチェンジを決断した。
「先行はもうだいぶキツくなってきていたし、戦法もずっと中途半端だった。このままのスタイルでやっていたら、5年後、10年後も中途半端な選手のままな気がして…。9月の地元記念で初日に飛んで、時間をかけてでも変わっていこうと決意が固まった感じですね」
10月の時点でバック数も二桁持っているため、自力扱いの番組を組まれることもまだまだ多い。ただ玉野の最終日(特選)は村田祐樹の番手でGⅠ級のマーカー橋本強にジカ競りを挑んだ。「追い込みに変わることをアピールするため」の選択だったが、「デビュー戦くらい緊張したし、結局何もできなかった」と、競りにもならず大敗した。
開催後には同県の先輩から貴重なアドバイスをもらったという。「永澤剛さんと電話で話をさせてもらい『気持ちはわかるけど、急にジカ競りをするのはどうなのか。せっかくタテ脚があるんだから、今は動いて位置を取るなり、イン粘りとかしながら徐々に(追い込みに)変わっていった方がいいんじゃないか。極端に変わると脚は一気に落ちるぞ』と言ってもらい、いろいろ考えることができました。永澤さんと話せて本当によかったです」。そして「自力選手が一緒の時は、後ろで勉強させてくださいと言って番手の経験を積んでいくつもりです。自分で動かないといけない場合は、まくりは用意しつつも、前々に攻めたり飛びついたり、位置を取って直線勝負したり。同期の星野洋輝は、自分で動ける脚もあるはずだけど基本的には番手や3番手を固めてラインの中で役割を果たしていて、すごくカッコいいなと思っています。イメージとしてはあんな感じで、そんなにすぐには変われないだろうし1年くらいはかかると思うけど、自分のスタイルを確立していって、いつかラインの方に信頼してもらえるような選手になりたいと思います」と力強く語った。
非凡なレースセンスや、並走を恐れず狭いコースでも突っ込む勝負根性の持ち主で、性格的にも追い込み選手として大成する可能性を大いに秘めている。選手生活の“第二章”を歩み始めた小原の今後の活躍に期待しよう。