4日間、郡司浩平の走りは余裕すら感じさせるものだった。特に二次予選では2着だったが、守澤太志を連れてのロングスパート。最後は守澤に抜かれはしたが、負けて強しの印象を強烈に植え付けるものだった。初日特選、二次予選を見れば、参加選手中、1番のデキであることは衆目の一致するところ。「そんなことはないですよ。一戦一戦必死です」と謙遜したが、表情は明るかった。
迎えた決勝戦は逃げる菊池岳仁・荒井崇博の3番手をキープ。後ろはGⅡ「共同通信社杯競輪」を制して勢いがある南修二。地元の声援を一身に受ける新山響平が5番手。菊池の掛かりも悪くはなかったが、郡司に3番手を取られては為す術なし。郡司の凄さは、2コーナー過ぎからまくりに行ったことだ。若干、早いかなとも思われたが、あれ以上待つと5番手の新山が仕掛けてきて被る可能性もあった。そのあたりの状況判断もさすが、郡司といったところだろう。「展開が向きましたね。初日が終わってから、体の使い方を少し修正しました」と答えた。
そしてこの記念にかける意気込みが違った。共同通信社杯の初日は郡司らしくない8番手からの競走になり、まさかの大敗を喫した。しかし、その後は②①②としっかり結果を残した。「初日が本当に情けなかった。でもここで気持ちが折れるのではなく、変な言い方ですけど、吹っ切れた感じがありましたね」。結果2日目は正攻法からの突っ張り先行。佐々木龍に交わされはしたものの、2着に逃げ粘った。「福井があったからこそ今回の青森に生きてきたんだと思います」。失敗をすぐに反省してそれを次に生かせるかどうか、それがトップ選手だろう。
獲得賞金は1億円を超え、グランプリ出場も当確と思えるが「残り2つGⅠがありますから。取ってグランプリ出場を決めたい」と意気込みを新たにしていた。