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直送!競輪場便りfrom小倉競輪場 開坂秀明 (青森79期) 
インタビュー 2025.09.03

直送!競輪場便りfrom小倉競輪場 開坂秀明 (青森79期) 

#競輪場便り

いぶし銀のマーカーが復活を期す

 小倉競輪で約5年半ぶりにGⅢが開催された。「大阪・関西万博協賛競輪・第19回吉岡稔真カップ争奪戦」決勝は地元の林ブラザーズが連係し、柳詰正宏がVを飾って大いに盛り上がった。決勝には届かなかったが、50歳の八日市屋浩之が一次予選、開坂秀明が二次予選で白星。ベテランの奮闘も光った。

 25年前期はA級に降格していた開坂秀明。S級復帰5節目で小倉GⅢを迎えた。復帰後の4節は敗者戦の1勝があったが、準決勝進出は1度もなし。苦戦も予想されたが、一次予選は本線の3番手回りから前2人に続いて3着。昨年8月の松戸記念以来、1年ぶりのGⅢ二次予選行きを決めると、圧巻だったのが二次予選6R。同県の坂本貴史に任せたが最終ホームも最終バックも最後方。「正直、ほぼ諦めていましたよ。でも切り替えたところで何もできないし、貴史にずっと付いておこうと思って」。

 坂本が3コーナー過ぎから仕掛けるも車は進まず、致し方なく内を突いた開坂にVロードが開いた。「コースが空いてくれて、スピードを殺さずに突っ込めた」と、大激戦となった首位争いに後方から鋭く突っ込み、最後はアタマまで突き抜けた。6番車の開坂が1着で2車単は6万円台、3連単は36万円台の大波乱決着。しかも、展開に恵まれたわけではなく、苦しい展開をはね返すインパクト大の勝ち方を見せてくれた。

 「自分が一番ビックリ。貴史に最後まで付いていったのが良かったのかな。最後は伸びてくれましたね。凄くうれしい。ゴール後は思わず涙が出ました。GⅢの二次予選で1着なんて初めてじゃないかな」

 前節の京王閣FⅠは6、6、5着。しかも2日目は落車も喫していた。そんな50歳の活躍を誰が予想できただろうか。「A級に落ちた時も常にS級での戦いを想定して練習していた。落車の影響もそこまでなかったし、初日もしっかりと前に続けた。本当に良かったです」

 準決勝は8着、最終日は9着に終わったが、二次予選で見せた走りは色褪せない。まだまだ衰え知らずのベテランの今後にも注目したい。

 

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