橋本強の玉野サマーナイトフェスティバル(GⅡ)の成績は、一次予選が石原颯とワンツーで2着。二次予選は地元の取鳥雄吾と共倒れで5着。3日目の負け戦は大本命の犬伏湧也にピッタリ続いて2着。最終日は後輩の松本貴治が後手を踏んで4着。それでも4角からは良い脚色を見せていた。
「今節は中四国のダッシュマン達に離れなかったのが大きいね。元々の脚質はダッシュだけど、相手に合わせるのと、自分で踏み込むのは違うから。犬伏君には何度か離れているけど、こういう大舞台で付いて行けば、周りの目も違う。今は抜く事より、道中のマーカーとしての動きを大切にしている」
来年のオールスター開催は、ホームバンクの松山。バンクは改修中だが、小松島に合宿に行ったりして、工夫してトレーニングをやっているそうだ。「年齢的にも最後の地元ビッグになるかもしれない。当面の目標は地元のオールスター。その時まで、完璧にしたい!」
松山の顔役と言えば渡部哲男。時代が悪く、中四国の自力選手が不毛の時だった。あと5年、若手が早く出て来ていれば、渡部もGⅠ覇者になり、違った競輪人生になっていたかもしれない。現在、橋本は40歳。今はトレーニングの進化やサプリで選手寿命も伸びており、ギリギリ間に合うという感じだろう。先行選手を好きに走らせるタイプと、厳しく接するマーク屋がいるが、橋本はどちらかと言えば後者と言える。地味な存在だが、厳しい名脇役がいるから、若手が育っている。地元戦はめっぽう強く4年前の開設72周年で記念初V。後輩の松本貴治が先行し、新田祐大の捲りを止める芸術的なレースだった。地元戦に強い秘訣は?の問いに「やはり、メンタルかな。あとはバンクの特徴も知っているから、FⅠ開催だと捲りも決まる。他のバンクで自力は無理だけどね(笑)」。
離れが少ないマーカーだし、2着で安心して買える選手だ。
そして、1年後の松山オールスターが楽しみだ。
~玉野競輪場から。