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直送!競輪場便りfrom岸和田競輪場    桑原大志(山口・80期) 
インタビュー 2025.07.09

直送!競輪場便りfrom岸和田競輪場    桑原大志(山口・80期) 

#競輪場便り

初日落車でも途中欠場しなかったワケは――

 実力者の桑原大志は6月に行われた取手記念に参戦。しかし初日の一次予選で落車に巻き込まれて、早々に勝ち上がりの権利を逃してしまった。約2週間後にはGⅠ(高松宮記念杯競輪)も控えており、欠場してケアに充てるものかと思われたが、なんと2日目以降も出走したのだった。

「(落車によるけがは)軽傷でした。もし次の高松宮記念杯で一次予選敗退になったら途中欠場して帰るのか? って自問自答して、いや、そうじゃないだろう、と。競輪人生の岐路というかターニングポイントになるかもしれないと思い、ここで頑張れないとGⅠにいけないと自分を奮い立たせて走ることにしました」と、途中欠場しなかった意図を明かした。そして手負いの身ながら、2日目は月森亮輔のまくりを差して見事に白星をゲット。さらに最終日も2着に入って、ファンの車券にしっかり貢献した。

「今までは、50歳でS級1班というのを目指していました。でも、ちょっと図々しくなって“50歳でひとつでもGⅠに出たい”という気持ちに変わってきた。強い人と接することで得られるものもあるし、いろいろ周りに助けられて今の自分があると思うので。いくらでもチャンスがあるわけじゃない。だからこそ日々の積み重ねを大事にしていければ」

 先日、幕を閉じた高松宮記念杯では一次予選の2走を1、3着とまとめて白虎賞に進出。取手記念を“完走”したことが結果にしっかりと結びついた。

 来年2月の全日本選抜競輪(熊本)が開催される頃は50歳になっている。「清水裕友君がS級S班になってくれれば、山口の点数1位で出場できると思うので、清水君の応援をします」と真顔で話していたが、衰えない脚力と向上心があり、自ら点数を取って出場権をつかむ可能性が高そうだ。その時はきっと、目標をさらに上方修正することになるだろう。

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