川崎記念は郡司浩平が6回目の優勝を飾った。2着には松谷秀幸が入り、地元ワンツー決着となった。このレースには佐々木真也も出走しており4着だった。
郡司の優勝で大いに盛り上がったがもう一つ、この開催で注目されたことがあった。佐々木龍、真也、和紀の佐々木三兄弟が揃った参加したことだ。言わずと知れた佐々木龍也氏(引退)の息子達である。龍、真也はS級の上位で活躍していたが、和紀が今年からS級に初昇格したことから実現した。
その和紀が2日目の選抜で嬉しいS級初1着をもぎ取った。レースは野口裕史が先行し、番手無風の佐々木がG前で野口を捕らえた。レース後は多くの報道陣に囲まれ、これ以上ない笑顔で応えた。「野口さんの気持ちが伝わってきました。いつだれがまくって来るか分からなかったのでヒヤヒヤでした。勝ててメチャメチャ嬉しいです」と頬を緩めた。勝利者インタビューでは多くのファンが拍手を送った。「感動しました。こんなに多くの人たちから応援されいて、感無量でしたね。またこの場に立ちたいと心底思いました」と時間が経っても興奮冷めやらない状態だった。
佐々木に聞いてみた。「1勝するのが長かった?」と。すると「そうですね、長かったです。初戦の玉野初日に落車してここまで3回落車しました。骨折とかはなかったですけど、左人差し指を痛めて、暫くは指が曲がらず力が入りませんでした」。それでも腐らず諦めずコツコツと日々の練習で自分を磨いてきた。その結果がようやく実を結んだ形になった。「一つ勝てましたが、まだまだです。自分が何をすべきかもっともっと考えないとだめですね。例えば、コース取りとかです。一次予選がまさにそのコース取りを失敗しました」。そうはいっても、この1勝は大きい。残念ながら3日目、最終日は連にも絡めなかったが、収穫のあった開催であったことは間違いない。兄2人は自転車競輪があるが、和紀にはない。経験が浅い分これからの伸び代が期待できる。プレッシャーから解放された今、勝ち星を重ねていくことだろう。