静岡にまた期待の星が現れた。優勝こそならなかったが岐阜ミッドナイトで松本が輝きを放った。しかし、満足することはいっさいなかった。
「ライン4車で自分だけが勝った。もっとラインのことを考えて走らなければダメ」と予選の走りを反省しきり。
準決は頭脳を生かした。「馬場さんとは昨年の夏くらいに一緒の開催で、番手に飛びついたり、内をしゃくったりする感じがしていたので」という通り、冷静に立ち回った。「馬場さんの走りは何となく分かっていたし、照井君が流していたので思い切りいけた」。近藤俊明に差されはしたが、力強い内容だった。
迎えた決勝。前受けからいったん引いて6番手。先行した林敬宏に襲いかかるが出切れず。結局7着でシリーズを終えた。「林さんが強かったです。あれで出切れない、林さんの横までいけないのは自分の力不足です。このままじゃS級では通用しない」と悔しがった。
7月から初のS級。それを見据えて3月からギアを3.92から3.85に下げた。「S級は距離も延びるし、踏み直しを効かせるために下げました。もっとスムーズに流れに乗れないとだめですから」。
優勝こそないが安定感は増している。「昨年7月に一度、まくり、まくりで点数が上がったんですが、やはり上で頑張りたいから11月くらいから先行基本に戻しています。S級で走るのが目標ではなく、S級で活躍することですからね。ただ、今のままならダメなんでもっと頑張ります」。
普段の練習は「ストレスなくしたいから」と一人でやることが多い。勝ちきれないのはあくまでも上のステージを見越してのこと。地道に力を付け7月からいっそう輝くことだろう。