月刊競輪WEB

検索
直送!競輪場便りfrom前橋競輪場     新田康仁(静岡74期) S級2班
インタビュー 2025.04.16

直送!競輪場便りfrom前橋競輪場     新田康仁(静岡74期) S級2班

#競輪場便り

〝赤い彗星〟が試行錯誤の末にたどり着いた答えとは…

 3月に51歳を迎え大ベテランの域に入ってきたが、衰えるどころか気温の上昇とともに成績も一気に良化してきた。「向上心から、今年に入って自転車やセッティングをいろいろ試したりいじったりしてきた。でも全然ダメで。1、2月に一気に成績を落としてしまった。さすがにヤバイと思い、その新車は捨てて、差しの決まり手が20くらいあったころの物に戻したんです。そうしたら俊敏に動けるようになってきた。〝やっぱりこれだな〟って感じです(笑)」とフレームチェンジが奏功したようだ。

 今回の試行錯誤は失敗に終わったが、決して無駄な時間ではなかった。「これからは己を研ぎ澄ませていくことにしました」と、決意を固めるキッカケになったからだ。

「自転車やセッティングをいじって、ちょっと良くなることもあったけど、さらに良くしようといじって悪い方に出たり、落車でパーになったり――。ずっとそういったことを繰り返してきて、ようやく気付いたんだよね。結局最後は自分なんだなと。だから今まであれこれ考えてきた時間を、自分を研ぎ澄ませていくことだけに割こうって。自分の体のことだけを考えていけばいいから、時間も自分のために使えるようになるし、これを続けていけばもっと強くなれる気がするんだよね」と少年のようなキラキラした目で語ったのだった。

 フレームチェンジ後は本来の鋭いキレも戻り、前橋GⅢでは2勝をゲット。準決勝では落車の憂き目にあったが「頭を打ってしまい再乗した記憶がないけど、打撲も擦過傷もほとんどなかったし最終日に1着も取れたので影響はないですよ」と幸い軽傷だった模様。

 まもなく自身にとって2年ぶりのGⅠとなる名古屋ダービーが始まる。「ダービーまでに新車が届く予定なんです。これも差し20くらい持っていた時の仕様になっているからすごく楽しみ。ダービーで活躍するのもそうだけど、まずは点数を戻していって、本線(の番組)で走れるところまでいきたいですね。そこで結果を出して、上位で戦い続けられれば、と思っています」と今後の目標を明かした。

〝赤い彗星〟の異名で一時代を築いた実力者には、まだまだ伸びシロがたっぷりありそうだ。

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE

related articles