「初S級の舞台に慣れて奮闘中」
1月から初めてS級に昇格した青木瑞樹が徐々に存在感を示している。3月は名古屋記念と久留米FⅠに出走。2回目のGⅢ参戦だった名古屋記念の初日は、格上の谷口遼平の逃げを外並走からの捲りで仕留めて白星ゲット。最終日も2着に食い込んだ。6、8、2、8着と苦しんだ1月の松阪記念よりも確実に成長した姿を披露した。
続く10日からの久留米FⅠは果敢な走りで3日間最終バックを奪取。白星こそなかったが内容を伴った走りで2、4、2の着獲りと奮闘した。初日は湊聖二、準決勝は橋本強、最終日の特選は湊と、後ろを走った選手の1着に貢献。自力選手としても申し分ない3日間だった。
「番手の選手が仕事を結構やってくれる。それに助けられた。S級に上がった当初の1月は怪しかったけど、今月はいい感じで走ることができた。戦い方次第でなんとかなるなぁって」
久留米では対戦した選手だけでなく、モニターで見ていた選手たちからも〝いいレースをするね〟と評価する声が飛びかった。青木の先行力は確実に多くの選手にインプットされ始めている。
「何かを変えたとか、何か特別なことをやり始めたとかはない。脚が急激に上がっている感じもないですよ。ただ、敵がどういう選手なのかを頭に入れて走れるようになったのはありますね」
レースを重ねるごとに対戦相手の力量や走り方を肌で感じとれてきた。その蓄積が青木にとって〝S級に慣れてきた〟ということなのだろう。あっという間にS級最初の期も半分が経過した。今期の競走得点はあと少しで100点というところまで来ている。
「今期はS級点を取れるように頑張りたいです」
来期もS級が決まっている25歳。初S級でS級キープが叶えば、さらなる成長が見込める。今期の後半戦も果敢な攻めでS級点確保を目指す。