経過は良好で目標を上方修正
3月小倉ミッドナイトは初日特選からのスタート。直近4カ月の競走得点が89点台での初日特選に驚くと同時に「思ったより、いいペースで戻っている」と宗崎は笑顔を見せた。
最後に初日特選を走ったのは昨年11月玉野だった。その後は腰部ヘルニアの手術で2カ月の長期欠場。1月高知が復帰戦だった。
「腰に違和感を感じたのは2018年くらい。腰痛に対する知識もなかったので、休んだり、ケアをしたり、ごまかしごまかしで走っていたけど、21年、22年あたりからどんどん悪くなった。S級から落ちて、前期はA級でもボロボロ。このままじゃ、らちが明かないと思った」
それまではネガティブなイメージがあった手術に踏み切るしかなかった。手術した今でも腰の痛みはある。それでも左足のしびれは完全になくなった。
「感想としては、やって良かった。フォームがおかしい、体に力が入らないってことがなくなった。まだ腰をかばう癖は抜けていない。でも、上下半身のつながりが戻っている感覚はある。最初はゼロだったのが、今は20、30%。今はこれを100に戻していくイメージでやっている」
19年6月宇都宮ではボティシャー、トルーマンの外国勢を破ってS級初優勝を飾り、22年には競輪祭でGⅠ初出場を決めた。腰痛によるパフォーマンスの低下、理想とのギャップに苦しんだ時期もあったが、現在は「できないことをやるより、できることに集中する。今いるステージで精いっぱい力を出す」と前を向いて戦えるようになった。
「今期復帰してからは休まず走り切ることが目標だった。そして来期からS級点を取りにいく。それができたらいい方だと思っていた。でも2月岐阜で優勝できて、3月小倉では初日特選スタート。当初の予定より早く芽が出てきた。ここからできることが増えて、そのクオリティが上がればS級も見えてくるかな」
思わぬ早さで目標を上方修正できた。ここからもS級復帰へ、できることをひとつずつ積み上げていく。