反撃の一年がはじまる
2020年から5年間守り抜いたS班の座から陥落することが決まった松浦は「忘れました、もう」と自虐的に激動の2024年を振り返った。
昨年は3月取手GⅡウィナーズカップ、8月GⅠ平塚オールスターと要所で落車に見舞われた。なかでも「ウィナーズの指(左手薬指、小指)の骨折が結果として、かなり響いた」と話した。「あれで(ハンドルの)握り方が変わって、今までと同じように握れなかった。肩の筋炎症も大きくて、スタートも出られなかった。足自体はそこまで落ちている感覚はなかったけど体がうまく使えていない分、下半身の力だけで乗っていた感じ。足の感じは良くて、いい雰囲気はあるのに、いざレースとなるとそれが出ない。そんな状態が続いた」
感覚が戻ったのは11月四日市GⅢの後半戦だったという。以前と同じようにハンドルを握れる、上半身と下半身が連動することでパフォーマンスが上がり、最後のGⅠ競輪祭を迎えた。「競輪祭は(グランプリ出場へ)惜しいところまでいけた。レース中もお客さんが、僕に来年もS班でいてほしいという雰囲気をすごく感じることができました。その期待に応えられなかったのは残念ですね。2024年は、せっかくのチャンピオンユニホームだったのに、もっといい走りがしたかった」
それでも12月広島記念in玉野の優勝を含め競輪祭からは4連続ファイナル進出で2024年を締めた。あっせんが止まる1月を有効利用して、2025年はさらに感覚を研ぎ澄ませたい。
「オールスターで落車の影響もまだあるので1度リセットしたい。メニューはまだ決めていないけど、3週間はしっかり追い込んだ練習がしたいですね。今の状態でしっかり1年間戦うことができればタイトルも狙えると思う。2025年は戻った自分を見てもらいたいし、いいレースでファンを楽しませられたらいいな」。
2月全日本選抜競輪(豊橋)から2025年のGⅠ戦線はスタートする。S班返り咲きをかけた松浦の戦いぶりに注目だ。