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直送!競輪場便りfrom熊本競輪場  眞鍋伸也(香川・85期)
インタビュー 2025.01.01

直送!競輪場便りfrom熊本競輪場  眞鍋伸也(香川・85期)

#競輪場便り

周囲の支えでV字回復

 眞鍋の成績が急上昇している。

 24年は6月小倉の落車で左手首を骨折して3カ月近い欠場があった。9月は地元のあっせんが入り、そこで復帰しようと決めていた。しかし、復帰戦を前になかなか状態が上がらない。焦りを感じていた眞鍋に大林亮介が声をかけた。

 「ここ何年か、落車が多くてなかなか調子が戻らず限界かな、と感じていた。復帰前に大林君が『みんなバンクでもがいている。出てこないか?』って言ってくれた。僕は香川ではもがき嫌いで有名で、この10年くらいは1人で街道練習をやっていた。千切れるのも恥ずかしい。変なプライドもあって避けていた」

 手首を折った時には「引退」の2文字も頭をよぎった。しかし、このまま辞めても、きっと次の仕事はおろそかになる。次の仕事も頑張るためにも、答えは1つ「一生懸命練習を頑張る」ということしかなかった。

 復帰戦となった9月高松は2日目に岡崎克政の突っ張り先行を差して1着になった。「そこで初めてクビになりたくない。選手を続けたい」と感じた。復帰当時の競走得点は63点で、代謝のボーダーラインも近づいていたが、終わってみれば今期は74点オーバー。代謝どころか、16年前期以来となるA級2班復帰も見えてきた。

 「この何カ月かは、いろんな転機があった。周りのおかげですね。昔は気に食わなければ自分でレースをやっていた。でも、ここ2、3年は攻め過ぎてこけたり、配分が止まったり…。今は自分では何もできないと言い聞かせて、頑張る子がいれば任せる。レーススタイルでも変化があった」

 成績が上がり、走るステージも変わろうとしているが「頑張らない。無理をしない」のが今の目標だ。周囲の支えで、眞鍋は1歩ずつ前に進もうとしている。

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