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直送!競輪場便りfrom静岡競輪 畑段嵐士(京都・105期)
インタビュー 2024.12.24

直送!競輪場便りfrom静岡競輪 畑段嵐士(京都・105期)

#競輪場便り

遅ればせながらやっと今年の初優勝を、静岡で決めた畑段。それも3連勝のおまけがついた。「やっとですね(笑い)」と笑みをこぼした。

 初日予選は中近ラインの村田祐樹が打鐘から先行態勢を取り、畑段は絶好のポジション。3番手の藤田周磨がバックからまくると、畑段は冷静に動きを見て藤田後位にスイッチした。そして寸前で藤田を捕らえた。準決勝は打ってかわって目標不在の組み合わせ。だが、自力を兼ね備える畑段には心配無用だったようだ。鈴木陸来の仕掛けに海老根恵太が離れ、2番手に藤田がはまる展開。畑段は5番手も前の動きをしっかり見据え、バックで神田紘輔を連れてひとまくり。「展開が向いただけ」と謙遜したが、踏み出し、掛かり、粘りと申し分ない動きを見せてくれた。

 差し、まくりで勝ち上がった決勝は福永大智・神田の3番手から。予想通り福永が先行し4番手に阿部拓真。地元の日高裕太が道場晃規を従え仕掛けるが出切れず。それを見た道場が素早く切り替えバックからまくる。神田のけん制を凌いだ道場だったが、福永に張られ失速。大阪両者が道場を止めるために外に大きく膨れた。その隙を逃さなかった畑段が咄嗟にインをしゃくり1着。「レース前から阿部君は内をしゃくってくるから気をつけていた。普通は一緒に上がってしまうけどたまたま阿部君が後ろにいたから締めていた。踏んだというより感覚的には押し出された感じ」。めったにない展開を生かした優勝だった。

 畑段と言えば、自力でも追い込みでも器用にこなしているタイプではあるが、それが器用貧乏になっているかもしれない。「自力でも強くなりたいし、番手でももっと強くなりたい。欲張りなんですかね(笑い)」とはぐらかしたが、車券を手にしている身にとっては、何かをやってくれる期待感を持てる選手でもある。今年は落車が重なり、不本意な1年だったと言う。「若い時に比べて、落車後の治りが遅い。時間がかかってしまう。年齢的なものかもしれないけど、強くなりたいからケアをしっかりして来年に臨みたい」。万全の体調ならGⅠ、GⅡでも活躍できる能力があるだけに、来年は飛躍の年になってもらいたいと思う。

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