写真のように最後は1着とはならなかった新田だが、初日特選、準優と1着で勝ち上がったF1奈良。完全優勝の可能性を感じた開催でもあった。
新田らしい走りを見せたのが単騎となった初日特選。逃げた脇本勇希・中井太祐・堤洋の4番手から、最終2角で捲ってきた伏見俊昭に併せ中井も番手から発進。すると中井の内が空き、瞬時の判断でしゃくり、抜け出したのだ。「まさか空くとは思わなかったし、奇跡に近いね(笑い)。でもあそこを入って行けるんだからいいんじゃないかな」としてやったりの表情で答えた。準優は南関ラインの堀内俊介が先行し、新田にとっては落とせない展開になった。連勝で勝ち上がったがその顔に笑顔は見られなかった。「堀内を残せなかったのがダメ。技量不足だね」。勝つには勝ったが残せなかったことを悔やんだ。
決勝は「想定外」だったと振り返った。「小森君が突っ張ると思っていたら、すんなり引いた。渡口君と小森君で先行争いになると予想していたから、ホームからカマす腹づもりはあった」。しかし思わぬ展開も冷静に対処できた。自力に転じた中井後位に切り替え直線へ。「33だしあれでいっぱい。自分が思っていた展開ではなかった中で、2着は良しとしなくちゃね。悔しいのは悔しいけど、次に繋がるでしょ」。
9月福井以来の優出となったが、本人曰く「脚は全く問題なかった。本当に展開、展開が悪かっただけ。まあ、結果が出たことは嬉しいね」。調子が悪くなくても結果が伴わないと気落ちもするがそこはベテラン、「焦りは一切なかった」と言う。50歳とは思えない走りを見せた新田。進化し続ける50歳に期待だ。