今年も残すところあと僅か。やっと、大石が調子を上げてきた。
競輪祭を直前に控えたF1開催奈良。そこで9月小田原以来となる優出を決めた。競走得点こそ落ちに落ちて101点台になったが、点数関係なしの走りは復調を明らかに感じさせた。
特選は簗田一輝を連れての自力勝負。前受けから中西大に抑えられるも4番手。2コーナーからまくって行ったが、伸びを欠いた。「うーん、道中で足を使いすぎました。同期の林(大悟)君の動きで慌ててしまった」と反省しきりだった。準優は末木浩二が先行し武田豊樹・飯嶋則之の4番手を確保すると最終ホームめがけて早めの仕掛け。武田の強烈なブロックを凌ぎきり1着。ファイナルへと駒を進めた。
そのファイナルは近畿が南潤・中西・伊代野貴照・佐藤成人といった強烈な布陣。末木は単騎でも自力を選択し、渡部哲男が大石につくことになった。
「勿論、渡部さんとは初めてですが着いてくれるのが嬉しかったですね。相手は相手だったけど、スイッチが入りました」。
レースは車番通りに南が前受け。大石は赤板前に抑えに出るが南が定石通り出させない。それでも大石は態勢を立て直し赤板から発進。これも南に合わされたが後退せず番手で中西と併走。後ろに渡部が着いたからこそだったのだろう。
結局のところ、足を溜めていた末木にまくられ6着だったが、果敢な攻める競走で猛烈にアピールした。
2年前ほど前から腰痛に悩まされいる。だが昨年は思いのほか腰の状態も良くトップクラスと渡り合えた。しかし、今年に入ると腰痛が悪化し自分の思う競走ができなくなっていた。
「今は戦える状態ですが、根本的に治療をしていかないといけないと思っています」。
腰に爆弾を抱えての日々だが確実にスピードと粘りは昨年に戻りつつある。
それが垣間見れた開催でもあり、次に繋がることだろう。