月刊競輪WEB

検索
直送!競輪場便りfrom 京都向日町競輪場 佐藤成人(奈良・71期) S級2班50歳
インタビュー 2024.07.31

直送!競輪場便りfrom 京都向日町競輪場 佐藤成人(奈良・71期) S級2班50歳

#競輪場便り

ベテランがS級で輝く!

 ベテランが好調だ。1月に齢50を超えても、しぶとく目標に食らい付いて、安定した成績をキープした。今年に入ってのA級戦は16場所を戦い、13場所で決勝進出。優勝こそなかったが、4月からは7場所連続決勝進出を決めて、25年前期のS級点数をクリアした。

 「S級とA級を繰り返すのは、気持ち的にはしんどいですからね。じっくり1年間、S級で戦えるので良かった」とS級復帰戦となる7月9日からの向日町FⅠに挑んだ。

 初日予選は本線の近畿ラインの3番手だったが、追走を阻まれて6着と苦い昇級初戦となったが、2日目、3日目は番手を追走。3、5着に終わったがまずまずの手応えで終えた。「実は初戦は良くなかったんですよ。1年ぶりのS級で少し練習を追い込み過ぎた。好調をキープできてたのは、あわてることなくシンプルな練習が出来ていたからなのに、また意識して調整を失敗しました」と苦笑いだった。

 数年前にA級に落ちてから這い上がられず低迷が続いた時は、これまで積み重ねてきた経験が、逆に調整方法に迷いを呼び込んだ。体調にムラができて調子の波が激しかった。2、3年前から悩むのをやめてバンクで三谷竜生らバンクに集まる若手選手と一緒の練習を黙々とこなす日々を続けた。その頃に三谷が使っていたが、合わなかったフレームを譲り受けて、自分にフィットしてきたのが大きかった。「調子の波が小さくなったし、レースで結果も出せた。競輪をやってて、楽しいと思えるようになった」と話す。

 2009年に競輪祭、10年にダービーと寬仁親王牌に出場するなど競輪選手として油の乗り切った時期には「これ以上頑張るには何かを犠牲にして命がけでやっていかないといけない。自分にはその覚悟があるのかな」と苦悶(くもん)の表情を浮かべていた。だから「楽しい」と言う言葉には驚いた。「その30代の時、他の選手の体のケアをする機会があって、ずっと研究も兼ねて続けてきたんですよ。その経験が自分の体のケアの方にやっとなって生かせるようになったのも大きいですね」。持ち味は競りよりも鋭いタテの足。S級の舞台でシャープな差し足で奮闘する姿を見続けたい。

この記事をシェア

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE

related articles