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直送!競輪場便りfrom久留米競輪場 紫原政文(福岡・61期)
インタビュー 2024.07.03

直送!競輪場便りfrom久留米競輪場 紫原政文(福岡・61期)

#競輪場便り

 S級最年長の紫原政文が、師匠でもある久留米記念・中野カップレースで存在感を示した。「やはり中野カップは違います。特別に出られなくなってから、1年に1回のこの大会は自分の中で一番大きなものです」と前検日から闘志を漲らせていた。

 1次予選は後藤大輝・坂本健太郎の3番手。後藤が先行し、坂本が1着。紫原はゴール前でいい伸びを見せたものの3着。それでも「地元3人で決められて2次予選にもいけた」とレースを振り返ってみせた。2次予選は嘉永泰斗に坂本、そして紫原の布陣。嘉永の力をもってすれば、ワンツースリーも十分に可能に思えたが、嘉永の後ろが展開のアヤで坂本と友定祐己の並走状態になり、坂本が嘉永のダッシュに付いていくことができなかった。「(坂本が)離れて追いかけていったけど、自分もあそこでついつい追いかけていってしまった」と体が勝手に反応した結果、大敗を喫してしまった。「悔しいね。準決には進みたかった」

 気を取り直して臨んだ3日目は、梶原海斗と連係した。「梶原は9車が初めて。どう走っていいか迷ってしまったみたい」と言うようにいつのまにか並びが逆になっていた。「梶原を待っていたけど来なかったし」と奮闘むなしく9着。「中野カップ」という大舞台で2日間、大敗を喫してしまった。だが、S級最年長選手は決して諦めなかった。最終日は鶴良生の自力に乗って4着フィニッシュ。「最後、中を割れれば3着だったけど、先行選手が垂れてきていて、外から行かれた」と悔しさを滲ませた。4日間を振り返ってもらったら「ダメでしょ。2次予選には進めたけど、残り3日がダメ」と戦う男・紫原らしい言葉が返ってきた。

 「来年1月からA級なんです。だから、来年の中野カップには出場できない。年も年だし、最後かなと思った」とポツリと漏らしたがそれもつかの間「やっぱり2年後には出られるように、S級の点を取る。同期の神山も頑張っているんだし、自分も負けられない」と声を大にした。今年1月に痛めた首の状態もだいぶ良くなってきた。

 傷だらけになりながらも戦う大ベテランの走りを応援したい。

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