ガールズケイリンのＧIとして第２回を迎えた「パールカップ」。昨年は児玉碧衣が圧勝しガールズケイリン初のＧIウイナーに輝いた。そして今回、決勝で主役の座を掴んだのが當銘だったかもしれない。當銘と言えば、的確な位置取りからの差しが売り。闘争心あふれる走りで、ファンも多い。パールカップの前までに今年の優勝は５回。着実に成長の階段を上ってきている。

　「久留米のオールガールズクラシックの時に、やれる手応えを感じたんです。結果は準決３着で決勝には勝ち上がれなかったけど、自信がつきました」。何をもってそう感じたのかだが「今までこういった大きな大会に向けての調整をして来なかったんです。オールガールズの時から、合わせるようにしたんです」

　予選は７番車。しかし１番車の児玉の後ろをすんなり回れることができた。５番手に構えた児玉が最終ホームからのロングスパート。吉川美穂に内を掬われそうになったが、しっかりついていった。そしてゴール前で児玉を逆転した。「もう、まさかでした（笑い）。自分自身がビックリしています」と大金星に笑顔が絶えなかった。準決もまた児玉と同じレース。そしてまるで予選の再現の様な展開になり、またもや児玉を差して２連勝を飾った。「また、まさかです」と謙遜したが追走技術はしっかりしており、伸びも申し分なかった。

　「過去のＧIは全て出場していますが、２連勝なんて。しっかり調整してきたことが結果に繋がっていると思います」。初タイトルがかかった決勝。３番手の尾崎睦をマークしたが、その外に柳原真緒がピッタリ張り付いて、當銘は終始インに詰まる状態。そこを最終ホームから６番手の奥井迪がかまし、結果的に追走した石井貴子が追い込みＶ。當銘はといえば５着でゴール。「何もできなくて悔しいです。もっとしっかり位置を取って勝負しないとダメですね。こういった展開になった時のリカバリーを勉強しないと」。

悔しさの中にも、次への課題を口にした。絶好のタイトルチャンスを逃した當銘だが、確実に頂点へは近づいている。