最終日の最終レースを目指して

　地元の記念開催で燃えに燃えていた宗崎。聞いてみれば「過去に記念で優出したのは、昨年、一昨年の高知記念だけなんです」。そして驚くことにＳ級での優出は過去に１回だけ。要するに、Ｓ級で最終日の最終レースを走ったのは３回だけということになる。

　３年連続地元記念優出を狙った開催。まずは予選。佐伯亮を目標にしたが、最終ホームは５番手。何とか４着で２次予選への切符を手にした。その２次予選は最終ホーム９番手。「位置が悪かったけど前が強いから」と余裕があったようだ。前とは犬伏湧也と田尾駿介のこと。山崎芳に絡まれはしたが、何とか凌ぎ３着同着で準決へ勝ち上がった。３年連続の決勝へ気合が入った準決だが、６着に敗れた。「佐々木君、山本拳君に任せていたから」。佐々木が内に切り込み、山本が最終バックでは坂井洋と山本奨の間を突っ込み、その反動で外に膨れるアクシデント。何とかよけて自力に転じた宗崎であったが、時すでに遅し。「山本さんが落車しなくて良かった。ごちゃごちゃしたら動く気はあったのですが」と悔しそうに振り返った。

　ここまで３走はすべて人の後ろ。本来は自力の宗崎にとって胸中はいかに。「実は腰を痛めていて本調子ではなかったんです。だから自分が前でとは言えないです」。それでも最終日の特秀は三宅達を連れて自力勝負で挑んだ。「九州が別々で、三宅さんが九州の先行にいくなら構わなかったんですが、三宅さんが任せるって言ってくれたので」。打鐘で前に出たものの山本伸に叩かれ後退。それでもバックからまくって出たが９着。１回も連に絡むことなく開催を終えた。「今の状態で準決までいけたので」と謙遜したが、悔しい気持ちは言葉の端々から感じ取れた。

　能力はトップクラスともひけをとらないのだが「瞬時の判断力とか、強い選手は違いますね。それと自分自身、もう少し頭を使ったレースをしないといけないですね」と現状を分析。人の後ろを回ることについては特に問題ないと言うが、自力にこだわりたい気持ちもある。「追い込みにもと思っていましたが、格好つけたがるタイプなので（笑い）。着を拾うとかそういうレースは性に合わないんです。何と言うか、ずるさが足りないんでしょうね。そうはいっても脚力不足が全てです」。ドル箱の地元記念は結果を残すことができなかったが、気持ちは全く折れていないと感じた。腰痛との戦いでもあるが、４回目の決勝進出に向けて、やる気は伝わってきた。