悔いがあるけど嬉しかった
ベテランらしい脂の乗った走りで、昨年6月の「高松宮記念杯」以来の準決進出を決めた村上。2014年に優勝している思い入れのあるGIで、開催前から気持ちは高ぶっていた。
特選は寺崎浩平、稲川翔の3番手。相手は郡司浩平、新山響平、佐藤慎太郎、松浦悠士ら。寺崎が抑えにきた新山を前に出させず強引に逃げる展開。村上の後ろには巧者・松浦がいる。直線に入ると村上は、松浦を牽制しながら、最後は稲川と寺崎の中を踏んで2着で、上々のスタートを切った。
2日目は準決へのフリーパス「スタールビー賞」。近畿からは村上、稲川の他に南修二、東口善朋も勝ち上がり4人。注目された並びは稲川を先頭に南、東口で村上は4番手。稲川が深谷知広を相手に先行争いを挑むも撃沈。南が自力に転じ、東口がゴール前で交わし近畿ワンツー。村上かは最後に清水裕友に抜かれ4着だったものの、道中の動きは無駄なく軽そうに見えた。
決勝進出へ勝負のかかる準決は古性優作、南と連係した。古性が松井宏佑の番手を郡司から奪う絶好の流れになったが「ここでというタイミングで踏みましたが」結果的は7着。
「ケガでずっと満足いくパフォーマンスができていなかった。GIに戻ること、そしてGIで特選に乗ることを目標にしてきたので、全日本は悔いがあるけど、嬉しかった」。
大会前の岐阜初日特選で落車しダメージを受けた。「年頭からスケジュール通りの練習ができていて、状態は凄く良かったのに、この落車でスケジュールや練習内容が大幅に狂ってしまった」。
若い時は別だが、44歳の村上(4月で45歳)にとっては、回復する時間がより必要になっていた。その中で白星こそ挙げられはしなかったが、ベスト27入りしたことは、円熟味が増したと感じた。
年齢のことを書いたが全日本選抜後は「追い込む時期になりますね。筋肉痛になるくらいハードにやります」と答えた。
「年齢と共にやることが変わってきている。今までは休養もあったが、休むことなく練習、練習、練習です」。
屈託なく笑った村上を見ていたら今年のGIで暴れる村上の姿が目に浮かんできた。