手応え
急な大雪となった13日の予選。鈴木は「雪の中で走ったことはあるけど、こんな大雪は初めてでした。動いてレースを作ることはできたけど、最後にハンドルを投げるのが早すぎて」5着に終わった。2日目は競走得点89点台の岡田亮太を目標に得た。その岡田が500バンクも関係なしに先行し、大名マークの鈴木が難なく抜け出し1着。「岡田君を2着に残さなければダメ。自分の技量不足です」と1着の喜びより反省が上回った。
だがこの1着にはもう一つの理由があった。「サンが浅いシューズを履いていたんですが、初日終了後に仲間と話して、以前履いていたサンが深いものに替えたんです。そうしたら回転もよくなってしっくりきたんです」。3日目は7着に敗れたが、添田龍児を相手に打鐘過ぎから先行策。「後ろに3人付いてくれてたし頑張りました。結果は7着ですが、自分らしい走りができたと思います。シューズを替えていなければ2コーナーでもう終わってました」。着以上の手応えを掴んだ。
鈴木と言えば94期の在校1位にして卒業チャンピオン。デビューして16年目を迎えた。昨年7月からは立川競輪場の開催指導員も務めている。39歳とベテランの域に達しかけているが、S級で走ることを諦めてはいない。「この前、同期の山田庸平と立川で久しぶりに会ったんです。庸平は今、凄く強いじゃないですか。色々と話しをしたんです」。内容はセッティング。「自分は最近ずっと主流になっているハンドル幅を狭くしていたんです。ただ、どこかマッチしない部分もあったんですが、流されてというか…。そうしたら庸平は広めのハンドルなんです」。早速練習でハンドル幅を広くしたら、「これが実にいい感じなんです。まだ実戦では使っていないけど、次からはこれで行きます」と好感触を掴んだ様子。素直な性格だから周りの意見に耳を傾けられた。シューズとハンドル幅。これだけだが、成績アップは目に見えている。