再びシビアな戦いに身を置く
大瀬戸が前期は大幅に点数を上げた。「1年前の今頃は80点ぐらいだったから、想像より早く点数が上がった」。10月武雄からは21年12月松山以来となる初日特選に復帰し、91点を超える競走得点で前期を終えた。
S1に在籍していた19年前期あたりから戦う気持ちが薄れてきていた。そして一昨年の夏には引退も考えたという。次の仕事もほぼ決まり、その関係先にあいさつを済ませてから選手手帳を出そう。そう思っていた。
「あいさつに行った先々で『もったいなくないか?』と言われました。続けたくてもできない人だっている。なりたくてなった選手を、まだ走れるのに自分からやめるのはもったいない。レースで得られる達成感は、なかなか一般社会では得られない、とも言われた」
思わぬ形で背中を押されて引退を踏みとどまった。それでも一度切れてしまった気持ちを取り戻すのには時間がかかった。「もう1回やろう」。そう思えるようになったのが昨年の春だった。
「今はレースでもピリッとした勝負ができている。またガツガツした気持ちが出てきました。足はS級にいた頃ほどはないし、若い子も強い。でも、そこは気持ちで戦いたい」
まだ結果待ちではあるが、来期から3年ぶりのS級復帰も現実味を帯びてきた。「1年かけて特選に戻って、そこから勝負と思ったが、思った以上に早かった。やるからにはS級に戻るって決めたし、おやじ臭を出していきたい。今年はシビアに、ピリピリしていきます!」。
2月に42歳を迎えるが、まだまだ老け込む歳ではない。1月小倉では今年初決勝も決めた。
今期もS級点確保へ、シビアに戦う。