来年のグランプリは静岡、何が何でも出たい
3連続優勝をかけて臨んだが、惜しくも決勝3着に終わった鈴木。
それでも来年に向けて確かな手応えを掴んだようだった。
予選1は「メンバー的にも、誰も来なかったら先行しようと思っていました。動かないと面白くないし」と言うとおり、打鐘過ぎの3コーナーから踏み上げて先行態勢に持ち込んだ。「後ろが最初から(小林)莉子さんって分かっていたけど、抜かれたら私が弱い証拠だし、もっと練習すればいいだけですから」。
小林には差されはしたが、僅差の2着で初日を走り終えた。
予選2は3番手キープから、最終バック手前でまくり1着。「まくる時は車間を空けて行くのですが、きょうはそうではなかった。逆に普段と違う仕掛けだったんで調子はいいと思います」と口も滑らかだった。
十分に優勝が狙えるデキで迎えた決勝だったが、ここで鈴木にアクシデントが起こってしまった。最後の直線で小林と接触し、車体故障。「落ちるんじゃないかと思って怖かったです」。それでも諦めず3着でフィニッシュした。アクシデントがなければと悔やまれた。
夏前くらいから「心と体がマッチしなくなった」と成績は下降線をたどりだした。
8月は途中欠場後の2場所を欠場した。「練習していてもどこか違う。そんな状態でレースに臨むから結果を残せない」。
もがいてももがいても体と心がマッチせず、負のスパイラルに陥ってしまった。
だが「10月の伊東くらいから気持ちが戻ってきたんです」。その伊東で決勝に勝ち上がると4着ではあったが、満ち足りた気持ちになれた。
その後の平塚で準優勝すると、取手、平塚を連続優勝。力強い、気持ちを前面に押し出して走る鈴木本来の姿が戻ってきた。
復調の要因の一つは、県外から冬季移動で来ている男子選手とのトレーニング効果がある。「刺激を受けるし一人で練習していると甘えが出てしまう。でも何人かいれば声を掛け合って諦めなくなるんです」。
元々、冬場の重いバンクは得意としているが、男子選手との練習でいっそう自信がついてきた。
「来年のグランプリは静岡ですから、何が何でも出たい。気持ち、戦う姿勢も、もう大丈夫です」と力を込めた。