まだまだ衰えぬ熊本魂!「通算500勝記念祝賀会」を開催
10月29日、中川誠一郎の「通算500勝記念祝賀会」が熊本市内のホテルで行われ、大西一史熊本市長を始めに競輪関係者、ファン、選手ら約270人が集まり、通算47人目(ガールズ3人を含む)の快挙を祝福した。
登壇した大西市長が祝辞で「7年前の熊本地震で被災し、競輪場の復活は難しいと思っていましたが、多くの皆さまのおかげで何とか復興できるようになりました。中川選手にも生活再建へ向けて多くの寄付をいただきました。来年は復活した熊本競輪場で中川選手の勇姿が見たい」と述べたように、再建を目指す熊本競輪場は来年6月以降の再始動を目指して前進している。
中川はGⅠタイトルを3本獲得し、2度の五輪出場を果たすなど、長らく競輪界をけん引してきた第一人者で、地元・熊本で言えば誰もがたたえる唯一無二の存在だ。ゆえに270人もの大人数が「誠一郎のため」「熊本競輪場のため」にと全国各地から足を運んだ。特筆すべきは参加したファンの数だ。実行委員会によると「誠一郎ファン、競輪ファンだけで約80人もの方が出席されました」とのことで、この数字は「出席した選手、OBの数と同等」(実行委員会)といい、出席した嘉永泰斗が「もしも僕が将来、こうしたパーティをしたとしても270人を集める自信は無い」と話したように、中川の動員力のすごさを物語る。
本人も、感謝してもしきれないと恐縮する。「最初はここまで大イベントにするつもりは無くて、江津湖(※熊本市内の湖)で屋形船を借りて、選手仲間と内々にやるつもりだったんです。だけど、実際にはこれだけの方が来てくれて、しかも遠方から来てくれたファンの方から『今日は楽しすぎました。感激しました!』ってうるうるされたり(笑)。自分も開催ができ、皆さんとお会いできて良かったです」と普段、接する機会の少ないファンとの交流を楽しんだ。
昨年9月の落車負傷から、なかなか本調子を取り戻せず苦しみもがいているが、競輪場の再開が何よりものモチベーションとなっている。「もう(前のような強さには)戻らないかもしれない。でも(再開した競輪場を)走るまでが復興だと言い続けてきましたから、強い気持ちを持って頑張ります」と心を込めて、来年への準備を進めている。