近畿のキーパーソンに
今年はFⅠを2V。競走得点も110点を超えて充実期に入った窓場が、9月の共同通信社杯で4年ぶりにビッグレースの舞台を踏んだ。その共同通信社杯は、一次予選は単騎で機敏に立ち回り3着。二次予選も単騎で先まくりを敢行して2着と堂々たる走りっぷりを披露。そして準決勝でもしっかり見せ場を作り、自身は9着に敗れたものの後ろの南修二を決勝へと導いた。
超一流が集う最前線で戦ったことで、手ごたえをつかめたと同時に課題も浮き彫りとなった。
「まず、古性(優作)さんの勝利への執念というのを強く感じました。現役時代の京都の先輩である村上(義弘)さんもそうだったけど、大きい舞台で結果を出すには気持ちが大事になるんだなと。脚はもちろん、強いメンタルも必要になるんだと思い知りました」
共同通信社杯で感じた課題は、また大きい舞台を走ることによって埋めていけるはずだ。だからこそ「ビッグレースに出続けないといけない」と痛感した。「見つかった課題を練習で改善しても、次に大きいところを走れば新しい課題が見つかります。〝課題を見つける、改善する、また新しい課題が見つかる、それを改善する〟。これの繰り返しだと思うんです。ただ、一度(ビッグレースから)離れると課題が見えなくなってしまい、積み上げてきたものが崩れてしまう。とにかくステージを落とさないことが大事」と常にトップ戦線で戦うことの重要性を説いた。
今でこそ鋭いまくりを基本とした自力戦で活躍しているが、一時期は「状況に応じて何でもできる選手になりたい」と〝自力自在〟の道を究めようとしていた。目標不在なら自分で動いて位置を取り、ラインの自力選手がいれば先輩でも後ろを回った。「あの時期があったからこそ視野を広く持てるようになったと思います。ラインを強くするにはどうすればいいか、後輩をどうやって援護するかなどを学べたので」と当時の経験が活きていると胸を張る。
自力選手の気持ちはもちろん、サポートに回る番手選手の気持ちもわかる窓場には、まだまだ伸びシロと可能性がたっぷりある。この調子で順調に経験値を積んでいけば、近い将来、必ず近畿のキーパーソンとなっていることだろう。