上を目指す覚悟
今年2度目の優勝を完全で飾った窓場。前回は5月でここも3連勝。共に大垣競輪場だというのだから、まさにドル箱バンクと言っていいだろう。「たまたまです。でも走りやすさはあります」とレース直後に笑顔で振り返った。
初日特選、準決は突っ張り先行で後続を完封した。「先行しておかないと他のラインになめられますからね。先行もできるんだっていうところを見せておかないと。2周踏める自信はあります」。
決勝は突っ張る素振りをみせるものの、東矢圭吾ラインを打鐘で出させ4番手をキープ。最終Bから余裕をもってまくり、山本伸一を振り切った。S級上位級の山本を振り切ったのだから、価値ある1勝、優勝だったに違いない。
デビュー当初から高く評価されていたが、伸び悩んでいた。気がつけば32歳。あっという間に12年以上が過ぎた。
「そうですね、もうそんなに経ったんですね。でもこれからですから」と景気のいい言葉が返ってきた。
最近、フレームを小さくした。そのフレームに合うようなウエートトレーニングも行っている。「フィジカルは問題ないと思っています」。ならば問題はどこに?「メンタルですかね。どうしても気持ちが弱い部分が肝心なところで出てしまうんです」とこの時ばかりは下を向いた。
大垣の後に臨んだGⅡ共同通信社杯。窓場の力を考えれば上位進出は可能だと思われていた。大会自体が自動番組だったため、窓場にとっては1、2次予選はくみやすかったかもしれない。3、2着で勝ち上がった準決は北井佑季―佐藤慎太郎の3番手、いや離れた3番手だったが終わって見れば何もできず9着に終わった。この辺りが課題となっているメンタルの弱さなのだろう。
F1クラスでは常に優勝候補となっている今、ここで満足することなくさらに上を目指す覚悟でいる。