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直送競輪場便りfrom いわき平競輪場  吉竹雄城(千葉・99期)
インタビュー 2023.10.04

直送競輪場便りfrom いわき平競輪場  吉竹雄城(千葉・99期)

#競輪場便り

柔道と競輪

吉竹が好調だ。取手で優出を果たした後の平。どことなく自信をもっているようだった。

予選は南関の3番手回り。先頭の望月嘉人が勝負どころで落車するとすぐさま俊敏に切り替えた。結局、最初に連係していた安藤宜明がまくり、再度のドッキングになったのだが、前へ前への気持ちが出たレースだった。しかし「安藤さんではなく僕がまくらないといけませんでした。しっかり対応しないと」と反省した。

準決も関東勢の3番手を回り2着で決勝に進んだ。その決勝は石田典大―秋葉大輔の後ろ。最終Bで時松正と絡み時松が落車。「びっくりしました。たらればは禁句ですが、あれで少しリズムが狂いました」。4着でシリーズを終えた。

 近況安定感が増し、車券には貢献しているが1着が少ない。8月の小田原初日の1着は4月武雄準決以来のもの。

吉竹の力からしてもう少し1着が多くても不思議ではない。「勿論、勝つこと、1着を目指すのは当然ですが、なかなかうまくいかないのが競輪」と苦笑い。ただ、確定板に載る回数は増えた。好調の要因を聞くと意外な言葉が返ってきた。

「柔道ですかね」。驚いたことに吉竹は小学生の頃から柔道を始め、高校3年時にはインターハイ5位の実績があるという。

 その柔道を約2か月前からまた始めた。「競輪は落車があるし、受け身のトレーニングを兼ねて了徳寺大学でやっています」。柔道を再開した頃から成績が上向きだした。「不思議ですよね。柔道と競輪、因果関係はわからないですが、きっと基礎的な部分でつながっているかもしれません」。

了徳寺大学には五輪選手や世界選手権で活躍した選手が多数いる。「一流のアスリートと一緒の空間でトレーニングできるだけで違います。所作とかみているだけで勉強になります」と話した。

勝って喜ぶだけでなく敗者に対する尊敬も、思い出させてもらえた。これは全てのスポーツに通じることでもある。「柔よく剛を制す」という言葉がある。体は決して大きくない吉竹が、筋骨隆々の競輪選手を破るのもわかる気がする。

デビュー後は順調に出世しS級も経験した。今はチャレンジだが「またS級に返り咲きます」と力強く結んだ。上のステージで活躍する吉竹を見てみたい。

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