拠点は釧路
7月にA2からチャレンジに降格した玉木。A級1・2班戦では柔軟なレーススタイルで穴党ファンには人気の選手だった。その玉木が、チャレンジ戦3シリーズ目の伊東で初の決勝進出を果たすと続く豊橋でも決勝に進出した。
予選は猪野泰介を目標に運んだ。まくってきた野口修平を強烈にブロック。猪野を抜くことはできなかったが、番手の仕事をキッチリこなして2着で準決に進んだ。
その準決は岡部怜音が目標。岡部が先手を奪ったが、村上翔馬がインから競りにきた。競りは4コーナーまでもつれこんだが、インの村上が伸びた。だが決して競り負けた訳ではない。結局、岡部が誘導員早期追い抜きで失格になったため、2着で決勝に進んだ。「岡部君が失格しているので素直には喜べない。2人で決勝に進みたかった」とレース直後は神妙な表情だった。
玉木が本格的に追い込みにチェンジしたのは昨年7月から。「7車の競輪になって色々考えた末に、追い込みで勝負しようと決めた。追い込みになった以上、自分はいっぱいいっぱいになっても先行選手を守ることが役目だと決めている」。チャレンジに落ちたのは失格によるマイナス点の影響によるものが大きい。
追い込みになることは、昨年5月から北海道の釧路市に拠点を移したことが少なからず影響しているかもしれない。北海道の競輪と言えば函館。札幌に住んでいる選手も何人かいるが、釧路は「恐らく自分が初めてだと思う」ほど競輪のイメージはない。地図を開いてもどこが釧路かいまいち分かっていない人が多いのではなかろうか?
「環境が抜群なんです。雪も少ないし、冬でも練習できる場所はありますから、ロードレーサーで街道に出ます。景色がいいから気分良く乗れます」。バンク練習はできないが、室内トレとウエートトレで鍛えているそうだ。
いつまでもチャレンジで戦う気はない。「前の先行選手がどうこうではなく、自分のやるべきことをしっかりやっていれば、結果も付いてくると思っています。最近1着はないですが、自分を信じて練習もしていますし、焦りはないです」と前向きだ。
豊橋の次の小田原は初日2着も、準決3着で惜しくも決勝進出を逃したが、最終日は2着でまとめた。
信念に基づき戦っている玉木、1、2班戦で見たい。